“掻抱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいいだ42.9%
かきいだ28.6%
かいだ14.3%
かきだ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うなずくように茶を一口。茶碗にかかるほど、襯衣しゃつの袖のふくらかなので、掻抱かいいだていに茶碗を持って。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
荒布革あらめがはの横長なる手鞄てかばんを膝の上に掻抱かきいだきつつ貫一の思案せるは、その宜きかたを択ぶにあらで、ともに行くをば躊躇ちゆうちよせるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
旅客もステッキをたてかけて、さしむかいに背をかがめ、石を掻抱かいだくようにして、手をついて実をながめたが、まなじりを返して近々と我を迎うる皓歯しらはを見た。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寝ている蒲団ふとんの中から、お雪ちゃんの身体からだを引きずり起して、両方の腕で掻抱かきだいてむやみにゆすぶりました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)