“かけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カケ
語句割合
20.6%
15.2%
11.5%
10.4%
8.0%
5.6%
3.9%
3.0%
破片2.8%
2.6%
1.7%
1.3%
砕片0.9%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
欠片0.7%
賭博0.7%
0.4%
掛金0.4%
0.4%
缺片0.4%
0.4%
0.4%
0.2%
何家0.2%
0.2%
0.2%
加計0.2%
夏家0.2%
小片0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
梟首0.2%
碎片0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
裲襠0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
馳競0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肉のとらわれを脱して、高きにかけらんとねがうたましいばかりは、ますます濡れ輝いてゆくのを感じます。深く深くなりまさります。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
こうして、ついに法水とのかけに、押鐘博士が勝った。しかし、内容を白紙と主張した法水の真意は、けっしてそうではなかったらしい。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
おつかはいくらもかけねえつちやつたから、まあだまるつきりあたらしいやうだろ、どうしたランプまつとこつちへしてせえまあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
取て夫婦二人を無理むりに一つ駕籠にのせ是でよしとて半四郎はむか鉢卷はちまき片肌かたはだぎ何の苦もなく引擔ひつかつぎすた/\道をかけながら酒屋をさして急ぎけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
主人の少女は小さな箱から氷のかけを二ツ三ツ、皿に乗せて出して、少年の枕頭まくらもとおいて、「もう此限これぎりですよ、また明日あした買ってあげましょうねエ」
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
鼻にかけて我々を見下し不孝の事のみ多く其上下女などに不義ふぎ仕懸しかけ何一ツ是ぞと云取處とりどころなく斯樣かやうの者に家を渡す事は勿論もちろん忠八にいとま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから今丁度内証で、そつとパンのかけを湿つた指で撮んで口へ持つて行つてゐるオスワルドに目を移して、「我々の懐かしい祖父」と云つた。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
両手でくうつかんで煙を掻分かきわけるように、火事じゃ、とかけつけた居士が、(やあ、お谷、軒をそれ火がめるわ、ええ何をしとる)
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鶏が茶碗の破片かけだの小石だのを食べて食物をこなすように胃の機械的作用が食物を砕く時中に固いものが少し交っているとかえってよくこなれます。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
女中や書生等の家人たちが、さも大手柄おおてがらの大発見をしたように、功を争ってヘルンの所へかけつけるので、いつも家中がなごやかににぎわっていた。
紅梅に幔幕まんまくひかせ見たまひぬ白尾のかけの九つの雛
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
のぼる時は直立して天に向ふこゝは危なしおりんと云へど聞かぬ顏にていよ/\飛ばす山は恰もかけるが如く樹は飛が如くに見ゆ快といはば快爽と云ば爽なれどハツ/\と魂を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
多「踏抜きはしやせん、踏抜きをしねえように朝くれえうちに貝殻や小さい砂利だの瀬戸物の砕片かけがあると、ほじくって置き、清潔きれいに掃きやんすから平坦てえらになって居りやす」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
敵と申候儀だう理に存候すれば天下の御奉行樣にも罪なき者を御仕置おしおきに仰付られしは同樣ならんか併したつとき御方故其儘そのまゝに相濟候事や私しどもが然樣さやうみちかけたる事あらば重き御咎おとがめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
家つ鳥かけの匂を思ひけり野つ鳥きじの小舍の前にして
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
と突いてかかった奴を袖摺そですりへ一ヵ所受けた。その時又右衛門が走寄はしりよってきたのである。血に染んだ来金道二尺七寸を片手に、六尺余りの又右衛門がかけつけたのだから小者はたまらない。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それから図表、バァイオリンケース、パイプかけ、それから更に波斯ペルシャスリッパー、——……と、それぞれ見まわす目に止まった。
そこに観念なるものと実在なるものと比較し得られるかけはしがあってその上に立ち見るものをして両端の距りを心測しておどろきの妙味を味い得しめるよすががある。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
目もすまにみつつくろき冬の土玻璃の欠片かけすら光りかへさず
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
遣らねえものは燧木マッチ賭博かけ椋鳥むくどりを引っかける事ばかり。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と、その氷の一かけを、綏子の両の手に握らせた。そして
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ええ……実は少し、掛金かけの寄らない先様さきさまがあるもんですから」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牝馬アイテーおほいなる歡喜に滿ちてかけを待つ。 300
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
目もすまにみつつくろき冬の土玻璃の缺片かけすら光りかへさず
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
鳥のように天空をかけり、けもののように猛威を競います。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それから立って、黒塗の箪笥からかけを出して女にせた。派手な竪縞たてじまのお召縮緬めしちりめんに紫繻子じゅすの襟が掛けてある。この中年増が所謂いわゆる番新というのであろう。女は黙って手を通す。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かけ蒲団を刎ねた旗二郎、見ている者もないところから、敷蒲団の上へあぐらを組み、手酌でグイグイ飲み出したが、考え込まざるを得なかった。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこで身を起して銭箱ぜにばこの中から毎日節約して貯め込んだ十三枚の小銀貨と百八十の銅貨をさらけ出し、皆ひっくるめて衣套かくしの中に押込み、戸締をして寶兒を抱えて何家かけの方へと一散に走った。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
昔より久受くずと呼来たれども、此記の例、若し久受くずならんには「国」の字は書くまじきを、ここにも軽島宮の段にも、又他の古書にも、皆「国」の字をかけるを思ふに、上代には「久爾須くにす」といひけんを
国栖の名義 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
中一日置いて三十一日には、又商人がかけを取りに来る。石田が先月の通に勘定をしてみると、米がやっぱり六月と同じように多くいっている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
広島県の国境にちかい山中に山県郡加計かけという寒村がありましてね。二十何年の昔になりますが、身の丈よりも高いような草を押しわけて私がその山奥まで売りこみに行ったものです。
「康おじさん、きょう死刑になった人は夏家かけの息子だそうだが、誰の生んだ子だえ。一体なにをしたのだえ」
(新字新仮名) / 魯迅(著)
室に入り来てまず四周ぐるりと人々を見廻し地板ゆかいたに坐り両掌を地板にせ、また諸方に伸ばして紙や麪包パン小片かけを拾い嗅ぐ事猴のごとし、この児痩形やせがたにて十五歳ばかりこの院に九年めり
みどりかみかつらまゆ皓齒かうしあたか河貝かばいふくんで、優美いうび端正たんせいいへどおよぶべからず。むらさきかけぬひあるしたうづたまくつをはきてしぬ。香氣かうき一脈いちみやく芳霞はうか靉靆たなびく。いやなやつあり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
多「それでは十四年ぜん此方こちらかけえられた、鹽原角右衞門という方がありやんすか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
衣冠何須挂神武 衣冠いかんなんもちい神武しんぶかけることを
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
遂に彼等進み来り手をイエスにかけとらへぬ。——馬太マタイ伝廿六章
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
きり彦兵衞重罪なればとてかほの皮をむきて獄門にかけられしかば皆々彦兵衞は全く御所刑に成りし事と心得居たるを此度このたびかく明白めいはくに善惡をたゞされし故世の人彦兵衞は無實むじつの罪に死なざりし事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
常におのれ博士はかせぶりて、人をこばむ心のなほからぬ、これをさそうて信頼義朝があたとなせしかば、つひに家をすてて一一六宇治山のあなかくれしを、一一七はたさがられて一一八六条河原に梟首かけらる。
古い砲彈の碎片かけなどが掘り出されて
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
法体ほったいと装ひて諸国を渡り、有徳うとくの家をたばかつて金品をかすめ、児女をいざなひて行衛をくらます、不敵無頼の白徒しれものなる事、天地に照して明らかなり、汝空をかけり土にひそむとも今はのがるゝに道あるまじ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やはりまるで何ひとつ眼には見えず、そして闇のなかで海のもの倦い睡たげな音がして、神が混沌の上をかけっていた頃の、涯しなく遙かな想像すべからざる時が聞こえていた。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
で、私はまた上り口へ行って、そこに畳み寄せてあった薄いむしろのような襤褸ぼろ布団を持ってきて、それでもしきかけと二枚延べて、そして帯も解かずにそのまま横になった。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
貸小袖に魂が入って立ったとも見えるし、行燈のともしおおうた裲襠かけたもとに、蝴蝶ちょうちょうが宿って、夢が徜徉さまようとも見える。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
建立すこれ宮樣みやさまの始めにて一品准后の宮と稱し奉つり天子御東伐とうばつある時は宮樣を天子として御綸旨ごりんしを受る爲なり然ども天子には三種みくさの神器あり此中何れにてもかければ御綸旨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
兎角とかくする今迄いまゝでは、其邊そのへん縱横じゆうわう暴廻あれまわつてつた沙魚ふかは、その氣味惡きみわるかしら南方みなみのかたけて、あだかるやうにかけした。端艇たんていともかれて、疾風しつぷうのやうにはしるのである。わたくしはいよ/\必死ひつしだ。
礼之進が早くも二度のかけを働いたのに、少なからず機先を制せられたのと——かてて加えてお蔦の一件が暴露ばれたために、先生がいたく感情を損ねられて、わざとにもそうされるか
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)