“靉靆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいたい50.0%
たなび41.7%
めがね5.6%
たなびき2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときに、真先まつさきに、一朶いちださくら靉靆あいたいとして、かすみなか朦朧もうろうたるひかりはなつて、山懐やまふところなびくのが、翌方あけがた明星みやうじやうるやう、巌陰いはかげさつうつつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
面影も、色も靉靆たなびいて、欄間の雲に浮出づる。影はささぬが、香にこぼれて、後にひかえつつも、畳の足はおのずから爪立つまだたれた。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
老人が靉靆めがねの力を借るが如く、わたくしは電車と乗合自動車に乗って向島に行き、半枯れかかっている病樹の下に立って更に珍しくもない石碑の文をよみ、また朽廃した林亭の縁側に腰をかけては
百花園 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
右に左にゆらゆらと靉靆たなびきはじめました。
雪の塔 (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)