“映”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うつ51.8%
21.4%
13.8%
えい4.8%
あた2.3%
はえ1.3%
1.1%
0.9%
ウツ0.5%
はゆ0.4%
0.4%
うつろ0.2%
うつり0.2%
うる0.2%
0.2%
かよ0.2%
てら0.2%
まば0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
曾祖母ひいばあさん、祖父おぢいさん、祖母おばあさん、伯父おぢさん、伯母おばさんのかほから、奉公ほうこうするおひなかほまで、家中うちぢうのものゝかほ焚火たきびあかうつりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
せきとして人影もない、また足脂あしあぶらに磨かれた広い板敷にも、ちりひとつ見えず、ただ何処からかす春の陽が長閑のどか斜影しゃえいをながしている。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
穂麦ほむぎかんばしい匂がした。蒼白い光を明滅させて、螢が行手を横切って飛んだが、月があんまり明るいので、その螢火はえなかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あなたがたがそれをれるか、れないかはまったべつとして、かくわたくしえいじたままを率直あからさまべてることにいたします。
この家の先代が砲術の指南をした頃に用いた場所は、まだ耕地として残っていたが、その辺から小山の頂へかけて、夕日があたっていた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
アフリカーノもアウグストもかく美しき車をもてローマを喜ばせしことなきはいふに及ばず、日の車さへこれに比ぶればはえなからむ 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その広い座敷がただ一枚の絨毯じゅうたんで敷きつめられて、四角よすみだけがわずかばかりはなやかな織物の色とうために、薄暗く光っている。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くわかたげし農夫の影の、橋とともにおぼろにこれにつる、かの舟、音もなくこれをき乱しゆく、見る間に、舟は葦がくれ去るなり。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
郎女は目をツブつた。だが——瞬間マツゲの間からウツつた細い白い指、まるで骨のやうな——帷帳トバリを掴んだ片手の白く光る指。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
純白の大理石に照りはゆる、まばゆいばかりの電燈。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その日の弁当(持ち運びえのしない)を鴉でもついばむだけの骨折甲斐のない包みにして積み重ねた石ころの上に置いて、仕事にかかっていたのに。
今日やうやく一月のなかばを過ぎぬるに、梅林ばいりんの花は二千本のこずゑに咲乱れて、日にうつろへる光は玲瓏れいろうとして人のおもてを照し、みちうづむる幾斗いくと清香せいこうりてむすぶにへたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
めでたき飾紐リボンあまた買はるべし、その黒き髮にうつりきものをえらみ試みんは、いかに樂かるべきぞなど、繰返して説き勸めつ。
小兒ちごうつくしきさまるべきを、格子かうしそとよりうかゞふに燈火ともしびぼんやりとして障子しようじうるるかげもし、お美尾みを美尾みをよびながらるに、こたへはとなりかたきこえて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
色の白い人があかくなったので、そりアどうも牡丹ぼたんへ電灯をけたように、どうも美しいい男で、暫く下を向いて何も云えません。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鏡にかよふ花ならば
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
月影はこんもりとこの一群ひとむれてらしている、人々は一語ひとことを発しないで耳を傾けていた。今しも一曲が終わったらしい、聴者ききての三四人は立ち去った。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
五彩まばゆい熊手店。——狭い道を圧してずらりと両側に立並んだその店々の小屋がけの光景こそむかしに変らない光景である。むかしながらの可懐しい光景である。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
やゝアヲみを帯びた皮膚に、心もち細つて見える髪が、愈々イヨイヨ黒くえ出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)