“夕映”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうばえ34.9%
ゆふばえ30.2%
ゆうば18.6%
ゆうやけ4.7%
ゆふば4.7%
ゆふはえ2.3%
ゆふばへ2.3%
ゆふやけ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ナポレオンは答の代りに、いきなりネーのバンドの留金がチョッキの下から、きらきらと夕映ゆうばえに輝く程強く彼の肩をすって笑い出した。
ナポレオンと田虫 (新字新仮名) / 横光利一(著)
遙かかなた、夕映ゆふばえのなかに、何やら、ほつそりとした、暗いものの、立つてゐるのを。それは一個の半ば朽ちた圓柱だつた。
あかねの色に夕映ゆうばえて美しい遠い、港あたりの上空を、旦那はステッキで指ざしながら、三太の心を奪うような威勢のいい声で言う。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
主婦のめいでリモオジュの田舎いなかの方から来ている髪の赤く縮れた娘も一緒にその窓から血の色のような夕映ゆうやけを眺めた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
西に殘る夕映ゆふばえと、東から昇る月の光をたよりに、まだ灯は點けませんが、お常と佐太郎の如何はしい態度は、醉つた萬兵衞からもよく見えます。
安達夫人と共に船ばたに立ちさふらひしに、夕映ゆふはえの際立ちてきらやかに美しく見え申してさふらへば、その奥なるアフリカのりくも思ひ遺られて微笑ほゝゑまれも致しさふらひし。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
平次の出した手紙、重三は受取つてお月樣と夕映ゆふばへと半々にすかして、ざつと目を通しました。
は沈んで、その代り空のところどころに赤味を帯びた夕映ゆふやけしまが輝やいてゐた。野づらには、ちやうど眉の黒いいきな新造が著る晴著の下着プラフタの縞柄みたいに、畠がつらなつてゐた。