“明白”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めいはく25.5%
あからさま19.6%
はっきり15.7%
あきらか13.7%
あから5.9%
ありあり3.9%
あらわ3.9%
あり/\2.0%
はつきり2.0%
あかし2.0%
あかり2.0%
きつぱり2.0%
てきぱき2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
張揚はりあげコリヤ憑司只今傳吉夫婦が言立る所は如何にも明白めいはくなり然すれば其方そのはうは公儀をいつは罪人ざいにんこゝ不屆ふとゞき者めと白眼にらめらるゝに憑司はハツとかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……明白あからさまに云うと、この上降続いちゃ、秋風は立って来たし、さぞき厭きして、もう引上げやしまいか、と何だかそれが寂しかったよ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いゝエ妾になれって明白はっきりとは言わないけれど、妾々ッて世間で大変悪く言うが芸者なんかと比較くらべると幾何いくらいいか知れない
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
南部藩と仙台藩の区別ちがひが言葉の調子にも明白あきらかで、少しも似通つた所がないけれども、同県人といふ感じが渠をしてよく国訛りを出させる。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
最も強く明治の影響を受けた私どもが、そのあとに生き残っているのは必竟ひっきょう時勢遅れだという感じがはげしく私の胸を打ちました。私は明白あからさまに妻にそういいました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時も私の方から、御褒め申せば、もう何よりの御機嫌で、羽翅はがいひろげるように肩を高くなすって、御喜悦およろこびは鼻の先にも下唇にも明白ありあり見透みえすきましたのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
関白殿からなんの御沙汰もないのは、かの玉藻の取りなしであることを知っていたが、千枝太郎は、この人の前でもそれを明白あらわに言うのを憚った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
屠手として是処に使役つかはれて居る壮丁わかものは十人ばかり、いづれまがひの無い新平民——殊に卑賤いやしい手合と見えて、特色のある皮膚の色が明白あり/\と目につく。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
岸を離れて見上げると徳二郎はてすりつて見下ろして居た。そして内よりはあかりが射し、外よりは月の光を受けて彼の姿が明白はつきりと見える。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
明白あかしを立てます立てますッて、ここまで連れて来るから、途中で小用も出来ずさね、早い話が。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
直ぐにも打縛ふんじばりでもするように、お前、真剣しんけんになって、明白あかりを立てる立てるッて言わあ。勿論、何だ、御用だなんておどかしたには威しましたさ、そりゃ発奮はずみというもんだ。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何時何処で逢つても、差障りのないやうに、別れぎわを明白きつぱりさせておく必要もあると思はれた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しかし、愛嬌あいけうのある、明白てきぱきした物の言振いひぶりは、何処かに人をひきつけるところが無いでもない。隆とした其風采なりふりを眺めたばかりでも、いかに斯の新進の政事家が虚栄心の為に燃えて居るかを想起おもひおこさせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)