“卑賤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひせん76.0%
いや4.0%
ヒセン4.0%
いやし4.0%
いやしき4.0%
いやしく4.0%
さも4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汝とまちがえられ、刑に処せられ、卑賤ひせんと醜悪とのうちに余生を終わろうとしている! それでよし。汝は正直な人間となっておれ。
屠手として是処に使役つかはれて居る壮丁わかものは十人ばかり、いづれまがひの無い新平民——殊に卑賤いやしい手合と見えて、特色のある皮膚の色が明白あり/\と目につく。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
賞ハ、卑賤ヒセンニ依ラズ、一切仔細ニカカハラザルコト、同前ナリ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の面容かおかたちを変らせていやり給う、その子貴くなるも彼はこれを知らず、卑賤いやしくなるもまたこれをさとらざるなり、ただ己みずからその心に痛苦いたみを覚え己みずからその心になげくのみ
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
彼は卑しき者より使徒を撰み挙げたまひしのみか、常に卑賤いやしきものをあはれみたまひし跡、おほふ可からず。
トルストイ伯 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
掠取かすめとるなどと云者一人もなし家業は此上もなきいやしき一文もらひなれども心まで其樣に卑賤いやしくはならず餘りと云ば馬鹿々々しい是内儀かみさん私し共まで文右衞門樣の連累まきぞひくつた樣な者此通り宅番を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たすきの縁をはなれず、井戸端に米やかしぐらん、勝手元に菜切庖丁や握るらん、さるを卑賤さもしき營業なりはひより昇りて、あの髭どのを少さき手の内に丸め奧方とさへ成り澄ませば
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)