“痩形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やせがた90.3%
やさがた3.2%
やさすがた3.2%
ヤサガタ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
痩形やせがたで上品な田宮夫人はつつましやかに話し出した。田宮夫人がこの温泉宿の長い馴染客であることは、私もかねて知っていた。
鰻に呪われた男 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
色のややあおい、痩形やさがたの男で、短く苅ったびんのあたりはまだらに白く、鼻の下のひげにも既に薄い霜がおりかかっていた。紺がすりの単衣ひとえもの小倉こくらはかまを着けて、白足袋たびに麻裏の草履ぞうり穿いていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ぶっきらぼうに身をひねった下駄がけの野武士と、不断着ふだんぎ銘仙めいせんさえしなやかに着こなした上、腰から上を、おとなしくり身に控えたる痩形やさすがた
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殊に名が御霊ゴリヤウの古い一つの発音だつたごらうであつた弟の方が、痩形ヤサガタのやうに段々想像の発達して行つた兄よりも、執念の強いものゝやうに思はれたのである。
芸能民習 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)