“雷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らい44.8%
かみなり30.0%
いかずち11.2%
いかづち8.0%
いなずま1.2%
かみ0.8%
ライ0.8%
サンダー0.4%
いなづま0.4%
かなみり0.4%
はたたがみ0.4%
はたゝがみ0.4%
イカヅチ0.4%
カミナリ0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例えば何月何日にらいが鳴って何とかいう家におっこちたという通信種を、その家の天水桶に落雷して孑孑ぼうふりが驚いたという風に書いて
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その声は時でもないかみなりのように空へ行って野原中へ聞えたのです。土神は泣いて泣いてつかれてあけ方ぼんやり自分の祠にもどりました。
土神ときつね (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
雲の内侍ないじと呼ぶ、雨しょぼを踊れ、と怒鳴る。水の輪の拡がり、嵐の狂うごとく、聞くも堪えない讒謗罵詈ざんぼうばりいかずちのごとくどっと沸く。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さてこのあたりは夜たりがたく晝たりがたき處なれば、我は遠く望み見るをえざりしかど、はげしきいかづちをもかすかならしむるばかりに 一〇—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
御用だ。と大喝一声、ひるむ処を附け入って、こぶしいなずま手錬のあてに、八蔵は急所をたれ、蹈反ふんぞりて、大地はどうと響きけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木曾路のごとく山腹の崖路にあらず、山頭の道なり。松至て多く幽鬱の山なり。三里半大湫おほくて駅。小松屋善七の家に宿す。午後風あり涼し。かみなる。雨ふらず。行程八里半余。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頼まれもせんのに外国まで問合せを出すバカだから、もちろん逢う外人もって、失礼ですが御地ではサンダーは鳴りますかね? とばかり、片っ端から聞く。
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)
いなづまのさそひ出してや火とり虫
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けれども間もなくまったくの夜になりました。空のあっちでもこっちでも、かなみり素敵すてきに大きな咆哮ほうこうをやり、電光のせわしいことはまるで夜の大空の意識いしき明滅めいめつのようでした。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
皆ただ、蠅の音がただ、はたたがみのように人々の耳に響いた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おくりける或日兩國邊よりかへ途中とちうにはか夕立ゆふだち降來ふりきたはたゝがみ夥多敷おびたゞしく鳴渡なりわたれども雨具あまぐなければ馬喰町の馬場のわき出格子でがうしの有る家を幸ひに軒下のきした立停たちどまり我がたくも早二三町なれども歸ることかなはあめぬれて居るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見るなと言はれたのに、見られると、八つイカヅチ(雷は古代の考へ方によれば蛇である)が死骸に群つて居た。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
旧来の通称の儘のは、茶珍チヤチン徳珍トクチン鈍宝ドンボオ道木ドオキ綿帽子ワタボオシ仕合シヤワセ午造ゴゾオ宝楽ホオラクカミナリトビ鍋釜ナベカマなどいふ、思案に能はぬのもある。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
とし先年三郎、梅田源二郎、梁川星巖、春日潜庵などの、名のきこへし諸生太夫が朝廷の御為に世のなんおかふむりしものありけり。