“密々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひそひそ43.6%
みつみつ20.0%
ひそ/\18.2%
こそ/\5.5%
こつそり5.5%
みつ/\3.6%
こそこそ1.8%
ひそやか1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今朝出社した時、此二人が何か密々ひそひそ話合つて居て、自分が入ると急に止めた。——それが少なからずかれの心を悩ませて居たのだ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ほかならぬ将軍のこと。さもあらんと思っていたが、果たせるかな、密々みつみつみことのりまで賜わっておられたか。——ああ、時節到来」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人は、裏畑の中の材木小屋に入つて、積み重ねた角材にもたれ乍ら、雨にしめつた新しい木の香を嗅いで、小一時間許りも密々ひそ/\語つてゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
何やら密々こそ/\耳こすりを致し、お美代を蠣殻町まで一人で帰す事に相成り、一人乗の車を別に雇い、お美代を先へ帰して置いて
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
索搜たづね密々こつそり呼出よびだし千太郎に小夜衣よりの言傳ことづてくはしく語りおいらんは明てもくれても若旦那の事のみ云れて此頃はないてばつかり居らるゝを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
されば我まげをば切取って、これにて胸をば晴し、其の方は一先ひとまずこゝを立退たちのいて、相川新五兵衞方へ密々みつ/\に万事相談致せ、此の刀はさきつ頃藤村屋新兵衞方にて買わんと思い
二人きりになると、何れもほつと息を吐いて、今し方お吉の腰掛けた床の間に膝をすれ/\に腰掛けた。かくて十分許りの間、田舎言葉で密々こそこそ話し合つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
かの男女なんによいとしさにへざらんやうに居寄りて、手に手をまじへつつ密々ひそやかに語れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)