“手帛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ハンケチ43.6%
ハンカチ38.5%
はんけち10.3%
はんかち5.1%
てぎぬ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、大阪もひどいにはひどいが……」岩田氏は鼻の先の汗を邪慳に手帛ハンケチで押しぬぐつた。「しかし、東京よりはましのやうです。」
ピシャリと、柿丘の頬に、まぬるいものが当ると、耳のうしろをかすめて、手帛ハンカチらしい一つかみほどのものがパッとひるがえって落ちた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれども女は静かに首をっ込めて更紗さらさ手帛はんけちひたひの所を丁寧に拭き始めた。三四郎は兎も角もあやまる方が安全だと考へた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
博士はフロツクコオトの隠しから皺くちやな手帛はんかちを取出して、一寸みづばなをおしぬぐうた。そしていつもの几帳面な調子で
笑いもせず、泣きもせず、口数もきかず、わしが咳をすれば吐月峯はいふきを、眼鏡をはずせば、すぐ目脂めやにを拭く手帛てぎぬをといった風によく気がついた。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)