“実相”のいろいろな読み方と例文
旧字:實相
読み方割合
じっそう50.0%
じつさう20.0%
さま10.0%
すがた10.0%
まこと10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寝耳に水とそれを聞いて、かれらは、事の実相じっそうをただす余裕ももたず、ただうろたえた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かせぐものあればあそぶ者ありめる者あればふ者あるが即ち実相じつさうなればおの一人ひとり勝手かつて出放題ではうだいをこねつけてかほをするは云はふやうなき歿分暁漢わからずや言語同断ごんごどうだんといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
平家の門閥もんばつが、民をかえりみるいとまもなく、民の衣食を奪って、享楽の油に燃し、自己の栄耀えようにのみ汲々きゅうきゅうとしている実相さまが、ここに立てば、眼にもわかる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは宇宙の実相すがたは、不生不滅かも知れん。いや不生不滅であるだろう。しかしわれわれ個人には、やはり依然として『生滅』という事実があるではないか。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「この一身に、念仏門の実相まことを具現いたすために。——また、この身をも、念仏門の実光ひかりに救われたいがためにです」と、全身すべて信念のかたまりのように構えて、そう答えた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)