“光沢”のいろいろな読み方と例文
旧字:光澤
読み方割合
つや81.1%
こうたく12.8%
くわうたく2.4%
いろつや1.2%
ひかり1.2%
つやけ0.6%
つやつや0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ヘエ——じゃないよ、相手のり好みをしているうちに、月代さかやき光沢つやがよくなってよ、せっかくのいい男が薄汚くなるじゃないか」
その褐色かっしょくに黒い斑紋はんもんのある胴中は、太いところで深い山中さんちゅうの松の木ほどもあり、こまかいうろこは、粘液ねんえきで気味のわるい光沢こうたくを放っていた。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
或狂信者のポルトレエ——彼は皮膚に光沢くわうたくを持つてゐる。それから熱心に話す時はいつも片眼をつぶり、銃でもねらふやうにしないことはない。
耳目記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
光沢いろつやがスッカリ無くなってしまうのです。そうして非道ひどい不眠症にかかって、癈人みたようになってしまうのです。
狂人は笑う (新字新仮名) / 夢野久作(著)
楽園がくえんと云うのだそうである。諸侯だいみょう別業しもやしきで、一器ひとつ、六方石の、その光沢ひかり水晶にして、天然にしょうの形をしたのがある。石燈籠ほどの台に据えて見事である。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この山の上で、私はよく光沢つやけの無い茶色な髪の娘に逢う。どうかすると、灰色に近いものもある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
病院へ顔を出す前ちょっと綺麗きれいになっておきたい考えのあった彼女は、そこでずいぶん念入ねんいりに時間を費やしたあと晴々せいせいした好い心持を湯上りの光沢つやつやしい皮膚はだに包みながら帰って来ると
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)