“だん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ダン
語句割合
26.6%
17.7%
8.9%
7.7%
7.0%
5.9%
5.5%
3.7%
3.3%
3.3%
2.6%
1.5%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.4%
三段0.4%
大事0.4%
0.4%
階段0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もっと早く出たかったのだが、はしごだんの上にがんばって、となりの人の戸口の前で一日じゅううなっている大犬が、こわかったのだ。
またうしてられる……じつ一刻いつこくはやく、娑婆しやば連出つれだすために、おまへかほたらばとき! だんりるなぞは間弛まだるツこい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アヽおかゝつて少々せう/\だんまうしてえ事があつて出ましたんで。書生「おだんまうしたい……エヽ先生八百屋やほや甚兵衛じんべゑさんがお入来いでで。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それで、うそがさえずっていたので、秀公ひでこうが、ことだんじているといったんだそうだ。ぼく、なんのことかわからなかったのさ。
二少年の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さんざんな議論も出たが、彼のくちからさいごのだんがそうくだると、とたんにみな黙って、どの顔にも悲壮な色がみなぎった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
輿こしにかゝれておしろへはせつけられまして、「小島若狭守がだん新五郎十八歳因病気柳瀬表出張せざる也、只今籠城いたし、全忠孝
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「玉井だんさん、栗田さんは、どうも、旦那と、「チーハー」の島崎勇次親分とが、ぐるにちがわん、ちゅうて、かんぐっとったようですわ」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
やがて、みんなが、一だんとなって、ペスをさがしにゆきました。そのなかに、ちいさいまさちゃんもはいっていました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
だんを取る必要も何もないのだけれども、習慣的に火燵に寄かかっている。ものういような春雨の感じが溢れているように思われる。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
だんじて/\、たとへこのくちびるかるゝとも。』とわたくし斷乎だんことしてこたへた。大佐たいさ微笑びせうびてわたくしかほながめた。
土地によって細部には少しずつの潤色じゅんしょくはあるが、大体の筋は互いによく似ていて、つまりは一種の異郷訪問だんの、思い切って童話化せられたものだった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それから燃え落ちようとする家の火に手をかざして、ぐるりと並んでだんをとり、崩れ落ちる火のかたまりに飛びのいたり、煙に顔をそむけたり、話をしたりしている。
白痴 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
さしわたし三間ばかりにめぐらしたる高さ六七尺のまろき壇を雪にて作り、これに二処ふたところの上りだんを作る、これも雪にてする、里俗りぞくよんしろといふ。
これと毫厘がり寸法の違はぬ女が、昨日の午過ひるすぎ、伯母の家の門に来て、『おだんのまうす、おだんのまうす。』と呼んだのであつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
先達せんだっわたくしは或るお方のお供をいたして、堀越ほりこしだんろうと二人で草津へ参って、の温泉に居りましたが、彼処あすこは山へあがるので車が利きません。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたしはそれでも反物たんものだん
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
渋色しぶいろ反古ほご……だんの灰……
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
農民一「はあ、まぁんつ、人並よりは、やったます。百刈りでば、まずおらあだり一反四なんだ、その百刈りさ、馬肥うまごえ、十五だん豆粕まめかす一俵、硫安りゅうあん十貫目もやったます。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
確に寺のだんへ上ると思って、いつの間にか——これで庭下駄で昇った女に手をかれたのでは、霧に乗った以上でしょう。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なよなよとした白縮緬しろちりめん、青味がかった水浅黄の蹴出しが見える、緋鹿子ひがのこで年がわかいと——お七の処、だんが急で、ちらりとからむのが、目につくと、かかとをくびった白足袋で、庭下駄を穿いていました。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたしたちは三段だんほど段を下りてはいってみると、それはもう屋根がふけてからのち、太陽の光がついぞ一度もさしこまなかったと思われる大きな部屋へやにはいった。
「葡萄酒やったら大事だんないやろ」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「聽いたよ、福井町のじやうだんらうといふ評判のよくない浪人者が、脇差で胸を突かれて死んでゐたんだつてね。——恐しく腕の出來る浪人者だといふぢやないか、茶汲女や守りつには殺せねえよ」
その祠の階段だんに腰を掛けると、此処よりは少許すこし低目の、同じ形の西山に真面まとも対合むかひあつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)