“搦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
から95.5%
がら1.4%
からま0.9%
0.5%
かじ0.5%
かす0.5%
がらめ0.5%
カラ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
慎太郎は看護婦の手から、水にひたした筆を受け取って、二三度母の口をしめした。母は筆に舌をからんで、乏しい水を吸うようにした。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一人の武士が四筋の鎖で、がんじがらみにからめられていた。畳の上に転がっていた。それを五人の異形の男女が、真ん中にして囲繞とりまいていた。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
出てみると、そこから三百メートルとへだっていないところに「ウルフ」の乗っていた牛乳自動車が車輪にくぎの出ているくさりからませ水田の中に頭部を突入して動かなくなっていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
空の蒼々あおあおしたのが、四辺あたり樹立こだちのまばらなのに透いて、瑠璃色るりいろの朝顔の、こずえらんで朝から咲き残った趣に見ゆるさえ、どうやら澄み切った夜のよう。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みんなに見つかると悪いから乃公は自分の室へ駆け上がった。三時までは戸棚の中にでもかくれようかと考えていたら、お島が入って来た。乃公は突然いきなりかじり付いた。婦人おんなと喧嘩する時にはを引張るに限る。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
袴広太郎とかいう小童こわっぱに、かすめ取られたお前ではないか、もしその筋へ突き出されてみろ。島原の残党キリシタンとして、否応いやおうなしに火あぶりだ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
混血児チャアリイを相手に、上になり下になりと組合くみあっていた龍介は、さらに三人の怪紳士のために押えつけられて、麻酔ますい剤を嗅がされてついにがん字がらめに縛られたままこんこんと眠ってしまった。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
諸手モロテヨリカラメ捕ツテ進上サレ候分、一万二千二百五十余ト記スルノ由ナリ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)