“距”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へだ45.7%
へだた24.2%
はな12.0%
11.7%
けづめ1.9%
へだつ1.1%
へだゝ0.8%
へだて0.5%
またが0.5%
きょ0.3%
0.3%
0.3%
ひら0.3%
わた0.3%
ヘダ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そした案配あんばいこ、おたがい野火をしへだて、わらわ、ふた組にわかれていたずおん。かたかたの五六人、声をしそろえて歌ったずおん。
雀こ (新字新仮名) / 太宰治(著)
ユフカ村から四五露里へだたっている部落——C附近をカーキ色の外皮を纏った小人のような小さい兵士達が散兵線を張って進んでいた。
パルチザン・ウォルコフ (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
それから後に気を付けて見ると同年輩の友人の中の誰彼の額やこめかみにも、三尺以上はなれていてもよく見えるほどの白髪を発見した。
厄年と etc. (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
石川は弘前をること一里半を過ぎぬ駅であるが、使のものは命ぜられたとおりに、優善が駅を去ったのちに手紙を届けたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
殊に、魯の一貴人から購め得た一羽の如き、羽毛は金の如くけづめは鐵の如く、高冠昂尾かうくわんかうび、誠に稀に見る逸物である。
盈虚 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
このきやう、都をへだつること遠からず、むかし行きたる時には幾度いくたびわらぢの紐をゆひほどきしけるが、今は汽笛一声新宿を発して、名にしおふ玉川のきぬたの音も耳には入らで
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
たけも高からず、打見たるところもはえ無けれど、賤しきかたにはあらず。就いてまみえばをかしからじ、へだゝりて聞かんには興あらん。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
カリンポンに着す その翌日雨をおかしてカリンポンに着きました。その間十五マイル、この都会はダージリンの東、一つの大なるたにへだててあります。ダージリンより余程土地が低い。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
越後の国往古わうご出羽越中ではゑつちゆうまたがりし事国史こくしに見ゆ。今は七ぐんを以て一国いつこくとす。
花のうしろのきょつぼの形をしているからツボスミレという、という古い説はなんら取るにらない僻事ひがごとである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
つなぎ烽火というのは、一里き二里距きに備えてあるのろし筒が、次々と轟煙ごうえんを移して甲府の本城へと
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あいや、まだ遠くはちますまい。おいいつけ下さるなれば、私が一鞭ひとむちあてて、羽柴どのを呼び返して参りますが」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
富士川の渡舟わたしにかかると、愈〻いよいよ追い越されたひらきは取り戻せなくなった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(此一條三國通覽より抄ス。) 然るに古今經世之事併籌海守禦之事をとくに、皆是封内の事のみにして其邊海にわたるものなし。
他計甚麽(竹島)雑誌 (旧字旧仮名) / 松浦武四郎(著)
リョウノ太キ格子コウシヘダテテ訪ネ来ル手ハ、黄八丈キハチジョウノ着物ニ鹿シボリノ広帯ヲ締メ、オ河童カッパニ三ツノアカキ『リボン』ヲ附ク、今ヨリ約十八年ノ昔ナリ。名乗リ出デヨ吾ガ双生児ノ同胞ハラカラ
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)