“小童”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こわっぱ60.5%
こわつぱ9.3%
こども7.0%
こわらべ7.0%
しょうどう4.7%
がき2.3%
こわらわ2.3%
せうどう2.3%
わっぱ2.3%
わつぱ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寄場はおろか、橋の下、お堂の下をはいくぐっても、その小童こわっぱをさがしだし、あいつに鼻をあかしてやらなけりゃアおさまらねえのだ
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
小童こわつぱの絹の紐もて飾りてき往きしに、經を聽かせ水をあびせられぬれば、今年中はいかなる惡魔の障碍をも免るゝならん。
(彼は何を血迷っているのか。自分の下僕しもべであるあの小童こどもを、頭上に差し上げて、あれを一体どうするつもりだろう?)
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、清盛の躍起も、大勢の気負いも、迷惑として振り切るように、かれは、小童こわらべひとりに松明を振らせ、ただ一騎で、雨のやみへ馳せ消えた。
らんのまわりにかげばかり見せて、ただワアワアとさわいでいる若侍わかざむらいたちを睥睨へいげいしながら、源氏閣げんじかくから桜雲台おううんだい本殿ほんでんへもどってくると、そこへあまたの武士ぶしに追いつめられてきた乱髪らんぱつ小童しょうどうがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小童がきらかよ末は名すらも忘れつと兵あと言はずたや忘れし
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
主従は有難きことに思い、御像をその駒形堂の所へ安置し奉ると、十人の草刈りの小童こわらわが、あかざの葉をもって花見堂のような仮りのお堂をしつらえ、その御像を飾りました。
それから私等は、杉の樹立こだちの下の諸大名の墓所を通つて奥の院の方までまゐつた。案内の小童せうどうは極く無造作に大小高下の墳塋ふんえいをば説明して呉れた。
仏法僧鳥 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
悠々然とのみ衣服なり垢穢きたなじじもあり、道具捜しにまごつく小童わっぱ、しきりに木をく日傭取り、人さまざまの骨折り気遣い、汗かき息張るその中に、総棟梁ののっそり十兵衛
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
悠〻然と鑿を衣服なり垢穢きたなき爺もあり、道具捜しにまごつく小童わつぱ、頻りに木を挽割ひく日傭取り、人さま/″\の骨折り気遣ひ、汗かき息張る其中に、総棟梁ののつそり十兵衞
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)