“弟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おとうと51.9%
おとと17.3%
おとゝ9.2%
てい7.6%
おと4.3%
いろと1.6%
オト1.6%
あれ1.1%
1.1%
0.5%
いろせ0.5%
おとみこ0.5%
おんじ0.5%
をとうと0.5%
オトヒト0.5%
ジュニョル0.5%
ジュニヨル0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうどひるごろでありました。おとうとが、そとから、だれかともだちに、「うみぼたる」だといって、一ぴきおおきなほたるをもらってきました。
海ぼたる (新字新仮名) / 小川未明(著)
この時姉は始めておととを顧みて、さも名残惜そうにして見つめたのである。弟も月の光りに始めて青白い姉の顔をつくづくと眺めた。
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まき「誠にお気の毒さまで、毎度おみ足を運ばせて済みませんが、御存じの通り母が眼病でございまして、おとゝも車をいて稼ぎますが」
さよう、小名木川おなぎがわの五本松は芭蕉翁ばしょうおうが川上とこの川しもや月の友、と吟じられたほどの絶景ゆえけいたりがたくていたりがたき名木めいぼくでしょう。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
たなばたつめは、天上の聖職を奉仕するものとも考えられた。「あめなるや、おとたなばたの……」と言うようになったわけである。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
は老い、は嘆けり。は白し、早や輝けり。は消えむ、ああ早や、が妻、が子、いろとぞうの、残れる者、ことごとくめつせん。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
これは、海岸の斎用水ユカハに棚かけわたして、神服カムハタ織るたなばたつめ・オトたなばたつめの生活を、ややこまやかに物語っている。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
わしもな、どうせ弟にはたとえちっとのものでも分けんならんのじゃけんど、何せあれは、何ちゃくれいでもえいせに学校へ行きたいいうて、あやって兄弟中で一人だけ大学までやった。
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
オヤ(母)神に対して、乳母神オモカミをば(小母)と言つた処から、母方の叔母即、父から見たと言ふ語が出来た。此が亦、神を育む姥(をば・うば)神の信仰の元にもなる。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
たとえばある特定の地方である「水の」の年に偶然水害があった場合に、それから十一年後の「水の」の年に同じような水害の起こる確率が相当多いという事もあるかもしれない。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ここに答へて詔りたまはく、「吾は天照らす大御神のいろせなり。かれ今天より降りましつ」とのりたまひき。ここに足名椎あしなづち手名椎てなづちの神、「然まさばかしこし、奉らむ」とまをしき。
かれ天皇かむあがりまして後に、その庶兄まませ當藝志美美たぎしみみの命、その嫡后おほぎさき伊須氣余理比賣にへる時に、その三柱のおとみこたちをせむとして、謀るほどに、その御祖みおや伊須氣余理比賣、患苦うれへまして
お芳のおんじ云つてたけど、毎日札幌さ手紙ば出してるどよ。んから、あの郵便持ちがくる頃に、いつでも入口さ立つて待つてるんだけど、一度だつて、返事來たごと無えてたぞ。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
小娘こむすめは、おそらくはこれから奉公先ほうこうさきおもむかうとしてゐる小娘こむすめは、そのふところざうしてゐた幾顆いくくわ蜜柑みかんまどからげて、わざわざ踏切ふみきりまで見送みおくりにをとうとたちのらうむくいたのである。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ヒ→ウ(「オトヒト」がオトウト、「ヲヒト」がヲウト、「喚ばひて」がヨバウテ、「酔ひて」がヱウテなど)ク→ウ(「格子カクシ」がカウシ、「口惜しく」がクチヲシウなど)
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
「ところが、奥さん。その真白草花と云うのが、案外にも青木ジュニョルだったりするのじゃありませんか。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「ところが、奥さん。その真白草花と云ふのが、案外にも青木ジュニヨルだつたりするのぢやありませんか。」
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)