“爾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんじ28.0%
しか23.2%
なんぢ15.2%
7.9%
7.3%
そう2.4%
2.4%
いまし1.8%
カレ1.8%
1.8%
なん1.2%
あまね0.6%
おの0.6%
きみ0.6%
すなわ0.6%
そち0.6%
なんじたち0.6%
なんち0.6%
0.6%
ココ0.6%
シカ0.6%
ナンジ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金眸もななめならず喜びて、「そはおおいなる功名てがらなりし。さばれなんじ何とてかれを伴はざる、他に褒美ほうびを取らせんものを」ト、いへば聴水は
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
具体的論理たるかぎり、しかいうことができる。しかしくいうのは、論理の根柢に神秘的直観的なものを考えるということではない。
絶対矛盾的自己同一 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
なんぢ地にのぞみて水そゝぎ、大に之をゆたかにし玉へり。神の川に水満ちたり。なんぢかくそなへをなして、穀物たなつものをかれらにあたへたまへり。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
の時に疾翔大力、爾迦夷るかいに告げていわく、あきらかに聴け諦に聴け。くこれを思念せよ。我今なんじに梟鵄諸の悪禽あくきん離苦りく解脱げだつの道を述べんと。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
故に外人の占領を恐るるならば諸事業一切之を禁制せざるべからず。かなさんと欲すれば初めより条約改正を見合すのほかなし。
風蕭々 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
国中に内乱の起った場合で取りくずす人夫も無く其のまま主人を見殺し、イヤ聞き殺しにした、けれど真逆まさかそうとも発表が出来ぬから
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
罪人が解りたらばずほッと安心すべきところなるに目科はは無くて痛く失望の色を現わし体好ていよく紛らさんため例の嚊煙草の箱を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
豐葦原ノ千五百秋ちいほあき瑞穗みづほノ國ハ、我ガ子孫うみのこきみタルベキくにナリ、いまし皇孫すめみまゆきしらセ。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
カレ、天宇受売命海鼠に謂ひけるは「この口や、答へせぬ口」と言ひて、ひもがたなもちて、其口をきゝ。カレ今に海鼠の口拆けたり。
仙覚抄でニヌとみ、こうでニヌと訓んだ。ぬのの事だが、古鈔本中、「」が「」になっているもの(類聚古集るいじゅうこしゅう)があるから、そうすれば、キヌと訓むことになる。即ちきぬとなるのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
詩人よ、なんぢ感ずるがまゝに歌ひ、見るがまゝに説き、思ふがまゝに語れ。爾が心の奥を開きて隠すことなかれ。爾が成功の秘密は斯の如きのみ。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
二十年を経て漸く大悟徹底し、爾後四十年間、衆生を化度した、釈尊も八十歳までの長い間在世されたればこそ、仏日あまねく広大に輝き渡るのであろう、孔子も五十にして天命を知り
死生 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
殺さぬと云張いひはるかハテ知たことよ身に覺えのなきことは何處迄どこまでも此の段右衞門は覺えなしサといふにお文は夫なら是程たしか證據しようこが有てもしらぬと云か段右衞門アヽ騷々さう/″\しい女ごときが口で云ふ事は證據しようこに成者かおのれは取逆上のぼせ亂心らんしんして居るなたゞしねつ上言うはごと未練みれんいつはりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きみよ、その双手を組むにさきだつて、その鶴のやうなるおん脚をば組みたまへ!
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
すなわ殿騰戸あみおかのくみとより出で迎えます時、伊邪奈岐命いざなぎのみこと語りたまはく、愛しき我那邇妹命わがなにものみことわれなんじと作れりし国未だ作りおわらず、れ還りたまふべしと。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
扨も殊勝の事を見るものよ、今廣き日の本に、淨蓮大禪門の御靈位を設けて、朝夕の𢌞向ゑかうをなさんもの、瀧口、そちならで外に其人ありとも覺えざるぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
子曰く、吾一日なんじたちに長ぜるを以て(対えずして)むことなかれ、(なんじたち)つねに則ち(人皆)吾を知らずという、なんじたちを知りて(用うる)あらば則ち何をかさん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たまひ、なんちこれもつ桃奴もゝめ腰骨こしぼね微塵みぢんくたけよとありければ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この如来の自己展開、自発自展してゆくそのありさまであります。それがつまり自然法というようなものであって、つまり今の言葉でいえば歴史的発展であります。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ココに其御祖ミオヤ命哭き患いて、天に参上マイノボりて、神産巣日之命に申給う時に、乃ち𧏛貝キサガイ比売と蛤具ウムギ比売とをオコせて、作り活かさしめ給う。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
則曰ク七軒町、曰ク宮永町、曰ク片町等ハ倶ニ皆廓外ニシテ旧来ノ商坊ナリ。曰ク藍染町、曰ク清水町、曰ク八重垣町等ハミナ廓内ニシテ再興以来ノ新巷ナリ。シカシテ花街ハ其ノ三分ノ一ニ居ル。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ナンジノ知ラザル所ハ、人ソレコレテンヤ」である。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)