“なんぢ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
61.7%
30.9%
1.2%
1.2%
1.2%
1.2%
1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ふん、海賊のおきまりのおどし文句だ。『止れ、我、なんぢに語るべき用事あり。』と言ふんだらう。信号簿をくつて見るまでもないや。」
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
殿とのよツくきこし、呵々から/\わらはせたまひ、たれぢやと心得こゝろえる。コリヤ道人だうじんなんぢ天眼鏡てんがんきやうたがはずとも、草木くさきなびかすわれなるぞよ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なんぢ何ぞ自ら欺くやと云はぬばかりに刺笑したるが爲に、一青年の心は牽牛花あさがほの苗の只一足に蹂躪されたるが如く、忽然として其の力を失ひ、突如として車を捨てて走るに至つたのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
なんぢの鍋で粥を造るのみよりは、伱の口腔で弼を造れ。伱の藥鋪よりのみ消化劑のヂアスターゼを得んよりは、伱の體内よりヂアスターゼを得よ。逃げ腰になつてゐて城の守れたためしは聞かない。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
武士たるもの二〇みだりにあつかふべからず。かならずたくはをさむべきなり。なんぢいやしき身の分限ぶげんに過ぎたるたからを得たるは二一嗚呼をこわざなり。
助、豊雄をにらまへて、なんぢ神宝かんだからを盗みとりしはためしなき一七六国津罪くにつつみなり。なほ種々くさぐさたから一七七いづちに隠したる。明らかにまうせといふ。
なんぢに欝懐の委曲を語りて、修羅しゆらの苦因を晴るけんとぞ思ふ、とおほドロ/\で現はれ出た訳でも何でも無いが、一体将門は気の毒な人である。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
燈火よ、客のこんはくとなりしかならざるか、飛遊して室中にはとゞまらず、なんぢなんすれぞ守るべき客ありと想ふや。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
いはンヤ吾トなんぢ江渚こうしよノホトリニ漁樵ぎよしようシ、魚鰕ぎよかつれトシ、麋鹿びろくヲ友トシ、一葉ノ扁舟へんしゆうニ駕シ、匏樽ほうそんヲ挙ゲテ以テ相属あひしよくス、蜉蝣ふゆうヲ天地ニ寄ス、びようタル滄海そうかい一粟いちぞく、吾ガ生ノ須臾しゆゆナルヲかなし
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
孫子そんしわかつて二たいし、わう寵姫ちようきにんもつ各〻おのおの隊長たいちやうし、みなげきたしむ。これれいしていはく、『なんぢなんぢ(三)むね(四)左右さいうとをるか』と。婦人ふじんいはく、『これる』と。