“訓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おし33.9%
25.7%
さと12.4%
おしえ6.9%
よみ4.6%
をし3.7%
いまし2.3%
よむ1.8%
1.4%
くん1.4%
よめ0.9%
をしへ0.9%
0.9%
さとし0.5%
0.5%
おしう0.5%
0.5%
クン0.5%
ヨミ0.5%
ヨム0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このようなことはあながち彼の創意でもなく、敵前渡河のときは、かくあやつるものとおしえている前人の貴い経験に基づくものであった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これだけでは不安心だが、アバラケは亭を阿婆良也あばらやむごとく荒れすさんだ義で毛なしと近く、ほとんど相通ずる意味の詞であろう。
少しの恋愛事件をお起こしになるとたいへんなことのようにおさとしになろうとしたり、かげでも御心配になったりするのを拝見しますと
源氏物語:40 夕霧二 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さりながら父の戒め、おりおり桜川町のうちに帰りて聞く母のおしえはここと、けなげにもなお攻城砲の前に陣取りて、日また日を忍びて過ぎぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
薄雪ははかないものにたとえ、薄命の掛言葉にさえなっているのだから、道益は腹をたて、よみだけとって行子ともじり変えてしまった。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼らはまだこのやうに泣くことを知らないゆゑに 男は三年に一遍泣くものだ といつた先生のをしへを破つてはならぬものと思つてるのであつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
亡き父のいましめで、お露との恋は避けてはいたが、それはただ表面おもてむきだけで、彼の内心は昔と変らず彼女恋しさに充ち充ちていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同紀に、雖辺土未清余妖尚梗而トツクニハナホサヤゲリトイヘドモ中洲之地無風塵ウチツクニハヤスラケシてふと同意なるにてしりぬ。かくてその隣とは、此度は紀伊国をさす也。然れば莫囂国隣之の五字は、紀乃久爾乃キノクニノよむべし。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして、剣技と、士魂とを、一松斎や孤軒からしえこまれて、その敵が、多ければ多いほど、心をたくましくすべきだということを覚悟している。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
本来はしたをもってぺろりとやることであったのに、是を「百草をめて始めて医薬あり」というごとく、試みに食べてみるという意味の漢語にもこのくんをつけたばかりに
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
嘿斎ぼくさいいはく、すべて祭礼に用ふる傘矛かさぼこといへる物はいにし羽葆葢うほかいの字をよめり、所謂いはゆるさんにして(きぬかさとよむ)神輿鳳輦しんよほうれんおほたてまつるべき錦蓋きんかい也といへり。なほせつありしが長ければはぶく。
といふやうなをしへが、ちよつときけばわからないけれど、よく考へれば解つて来る言葉で述べられてある。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
二つながら濁音化して、「ほぐ」「ほがふ」と言ふ風にもまれて来てゐる。その名詞は、「ほき」又は「ほかひ」である。
げに彼はクリストの使つかひまたその弟子なることを示せり、かれに現はれし最初の愛はクリストの與へ給ひし第一のさとしに向ひたればなり 七三—七五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その後、生命いのちは珠、と沢庵からわれた。よく考えてみると、資本いらずどころではない、人間最大の資本をひっさげて、わずかな禄米を——それもくじを引くような僥倖ぎょうこうをたのんで行ったことになる。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右の条々稚時いとけなきときおしうべし。又書付て折々よましめわするることなからしめよ。今の代の人、女子に衣服道具など多く与へて婚姻せしむるよりも、此条々を能く教ふること一生身を保つ宝なるべし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ぢい、いまひとつくんねえか」とさら強請せがんだ。かれは五りん銅貨どうくわ大事だいじにした。しかかれしばらく一せん銅貨どうくわれてたのでこゝろわづか不足ふそくかんじたのであつた。卯平うへいくちつぐんでる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大阪府三島郡佐位寺サヰデラに「つの」とも「かど」とも訓む字と、其第三のクンとを用ゐて、家の名とした一家がある。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
栲幡千々姫タクハタチヂヒメミコ萬幡姫ヨロヅハタヒメ命、火之戸幡姫ヒノトハタヒメミコ千々姫チヂヒメ命など有を、姫兒ヒメゴヨミをつゞけて一ツノ名とせられ
倭女王卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 白鳥庫吉(著)
さて此哥の初句と、斉明天皇紀の童謡ワザウタとをば、はやき世よりよくヨム人なければとて、彼童謡をば己に、此哥をばそのいろと荷田信名のぶな宿禰すくねに伝へられき。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)