“蕭々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうしょう76.8%
せう/\4.9%
せうせう4.9%
しと/\3.7%
しょぼしょぼ2.4%
しとしと2.4%
しょう/\1.2%
しょしょう1.2%
しようしよう1.2%
せう/″\1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
淙々そうそう、風蕭々しょうしょう、夕闇とともにひどく冷気も迫って、謙信の胸は、なお帰らぬ麾下きかの将士のうえに、いたかなしまずにはいられなかった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
剛一は千葉地方へ遠足におもむきて二三日、顔を見せざるなり、雨蕭々せう/\として孤影蓼々れう/\、梅子は燈下、思ひに悩んで夜のけ行くをも知らざるなり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
これは南画なんぐわだ。蕭々せうせうなびいた竹の上に、消えさうなお前があがつてゐる。黒ずんだいんの字を読んだら、大明方外之人たいみんはうぐわいのひととしてあつた。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私の仕事も大分捗取はかどつた。私の眼前めのまへには油のやうに流れて行く千曲川の下流の水がある。みぞれ蕭々しと/\降つて居る。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そういう所からまた西南の方へ登って行き、ツォムタクバという所まで進んで宿りましたが、やはり雨が蕭々しょぼしょぼと降って居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
雨戸の外では、蕭々しとしと降りそそぐ音が聞える。雨はみぞれに変ったらしい、お雪は寒そうに震えて左の手で乳呑児ちのみごを抱きかかえながら、右の手に小さなコップを取上げた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いとしい人を側に置いて蕭々しょう/\たる雨の音を聞きながらチビリチビリやると云うのは、誰しも悪くないものだが、織部正もその晩は例になく酒がはずみ、大分平素よりも数を重ねて
掘割りにそって曲りくねった、ボルスガアドのでこぼこ道を辿ることしばし、またクニッペルスボロの橋を過ぎれば、蕭々しょしょう・貧困・荒廃が何世紀かの渦をまく寒々しい裏町アナガアドの通りだ。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
中に、千鳥と名のあるのは、蕭々しようしようたる夜半よわの風に、野山の水に、虫の声と相触れて、チリチリ鳴りさうに思はれる……その千鳥刈萱。
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蕭々せう/″\のわび立てゝ
わなゝき (新字旧仮名) / 末吉安持(著)