“叢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くさむら67.7%
むら20.6%
むらが5.1%
そう2.7%
くさ0.8%
やぶ0.8%
クサムラ0.8%
あつ0.4%
しげ0.4%
しげみ0.4%
むれ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はそっと寝床から起き上(あが)って、半分開いてあった窓の戸を押し開いた。蒼白い月の光は、静かな芝草の上や叢(くさむら)の上に流れていた。
頭の中は急に叢(むら)がり集まる考えを整理するために激しく働き出した。葉子はひとりでに両手で髪の毛の上からこめかみの所を押えた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そのとき天の方では、日の沈む側に雲が叢(むらが)っていた。その一つは凱旋門(がいせんもん)に似ていて、次のはライオンに、三番目のは鋏(はさみ)に似ている。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
その中にあって雪のように白い猩々卯ノ丸の姿というものは、卯の花が円く叢(そう)をなして、そこに花咲いているようであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
森の木を伐(き)ったり、叢(くさ)を刈ったりしたので、隠れ家を奪われたと見えて、幾匹かの狸が伝法院の院代をしている人の家の縁の下に隠れて、そろそろ持前(もちまえ)の悪戯(わるさ)を始めました。
寺内の奇人団 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
それから焼け残つた立木もあり、茨の叢(やぶ)もある! 聴かされたとほり寸分の違ひもない。なるほど酒場の亭主め嘘はつかなかつたわい。
足もとに一本、おなじ花の咲いてゐるのを見つけた郎女は、膝を叢(クサムラ)について、ぢつと眺め入つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
斯うなると、世間の注目は私一身に叢(あつ)まっているような気がして、何だか嬉しくて嬉しくて耐(たま)らないが、一方に於ては此評判を墜(おと)しては大変という心配も起って来た。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
すると、こんもり繁った菩提樹の木のあいだの、すぐりや接骨木(にわとこ)や莢叢(がまずみ)やライラックの叢(しげ)みの中から、忽然(こつぜん)として、古ぼけて、まるで残骸のようになった緑色の四阿(あずまや)が現われた。
いつものやうに黄金色の花をつけた矮(ひく)いゑにしだのほかには何もなかつた、が、海風を避けた低地へ足を入れると、すぐ新らしい美しい緑葉や、花をつけた山櫨(さんざし)の叢(しげみ)や
そこには夏服を着た子供が、強い光線の反射のやうに、止所(とめど)なしに緑の叢(むれ)の前を飛び上がつたり又落ちたりしてゐる。それがうるさくてならない。ペエテルは眠りはしない。
老人 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)