“むら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムラ
語句割合
56.4%
11.9%
10.8%
9.6%
3.4%
部落1.8%
村落1.1%
1.1%
聚落0.5%
不揃0.5%
凸凹0.2%
持村0.2%
斑點0.2%
0.2%
0.2%
群落0.2%
自村0.2%
0.2%
農園0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四国しこくしまわたって、うみばたのむら托鉢たくはつしてあるいているうちに、ある日いつどこでみち間違まちがえたか、山の中へまよんでしまいました。
人馬 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
見るとひとむら椿つばきの木かげに鵙屋家代々の墓が数基ならんでいるのであったが琴女の墓らしいものはそのあたりには見あたらなかった。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
君のまはりには多くの騎馬武者むらがりて押しあふごとく、またその上には黄金こがねの中なる鷲風にたゞよふごとく見えたり 七九—八一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一方の幹には青い葉がむらがり出ているのに、他方の幹だけはいかにも苦しみもだえているような枝ぶりをしながらすっかり枯れていた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
暑中休暇に、ふるさとのむらへかえって、邑のはずれのお稲荷いなりの沼に、毎夜、毎夜、五つ六つの狐火が燃えるという噂を聞いた。
懶惰の歌留多 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それに蜂蜜なら、請合つて、そんじよそこいらの部落むらでは金輪際、見つかりつこない飛びきり上等の蜜を進ぜますて。
勘次かんじ菜種油なたねあぶらのやうに櫟林くぬぎばやしあひせつしつゝ村落むら西端せいたん僻在へきざいして親子おやこにんたゞ凝結ぎようけつしたやうな状態じやうたいたもつて落付おちついるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おつそろしくむらのある文章だ! 一目で人間の書いたものでないことが分つてしまふ——初手はなはちやんとまとまつてゐたが、末の方で犬式に足を出してしまつてゐらあ。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
草鞋わらじでも切れたのではないか。範宴は浄土寺の聚落むらあたりで、辻堂の縁にしばらく休んでいた。禅林寺の鐘の音が、吠える風の中で二更にこうを告げた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうなると、今までは気が付かなかったが、実に見るに堪えない程醜くいものである。毛が不揃むらに延びて、青い筋が所々にはびこって、如何いかにも不思議な動物である。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの十畳の広間は、表徳当月の二十八日までに天井を凸凹むらなしに遣ってくれ、へえ、宜しい心得たというので遣ったが、あのくらいな若旦那は沢山たんとない、男がくって厭味が無くって
えい、もう構うこっちゃない、とっととくたばってしまうがいい、お前さんの持村むらも一緒に滅びてしまうがいいんだ……
小袖こそで判然はつきりせぬ。が、二人ふたりとも紋縮緬もんちりめんふのであらう、しぼつた、にじんだやうな斑點むらのある長襦袢ながじゆばんたのはたしか
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翁これを納めて、二九三祝部はふりらにわかちあたへ、みづからは一むらつみをもとどめずして、豊雄にむかひ、二九四かれなんぢ秀麗かほよきたはけて二九五你をまとふ。你又かれかりかたちまどはされて二九六丈夫ますらを心なし。
紫式部といったかたの好きだったというももっともで……おむらと云うがほんとうに紫……などというでしゅ、その娘が、その声で。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
火田を囲む群落むらの上を、鳥は群れを乱して散った
間島パルチザンの歌 (新字旧仮名) / 槙村浩(著)
自村むら人々ひと/″\交代かうたいのこつてさかんばんをした。かへ人々ひと/″\ついで勘次かんじには挨拶あいさつつたのみで、みなみいへからざるれた握飯にぎりめしだけであつた。かれはそれでもため空腹くうふくのがれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ただやみくもに歩いても、迷うばかりでむらの外へは抜け出られませんぞ。白楊樹はくようじゅが正しい道の目じるしです。曲がり角へ出たら、なんでも白楊の立木を目あてに折れ進んで行ってください」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
知つてのとほり、お前さんの農園むらは十八人の農奴だけれど、それは人口調査の上のことで、実際はもつとずつと多くなつて、多分、二十四人には殖えてゐる筈だよ。でもそのことではありません。
明日霊銑むらの少年と湖辺に鼓噪こそうすると須臾しばらくして波湧き激声雷のごとく、二牛あいせるを見るにその一いとくるしんで腹肋皆白し、霊銑後の蜃にてると水血に変じ
私はあれにむらの曲水という題まで考えてるくらいです
おれの女房 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
根本は餌取ゑとりと云ふべきか。餌と云ふはしゝむらを云ふなるべし。其れを取る物を云ふなり。ヱトリを早く云ひて、云ひゆがめてヱタと云へり。ヱトリを略せるなり。