“須臾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅゆ63.5%
しゆゆ14.9%
しばらく10.8%
すゆ4.1%
しばし1.4%
しま1.4%
しましく1.4%
たちまち1.4%
とき1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舳先へさきがこちらに向くかと思ったが、それは眼のあやまりで、須臾しゅゆのうちに白い一点になり、間もなく、それも見えなくなってしまった。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ベルナルドオのきずは命をおとすに及ばざりしかば、私は其治不治生不生の君が身の上なるべきをおもひて、須臾しゆゆもベルナルドオの側を離れ候はざりき。
待つこと須臾しばらくにして詩人我に曰ひけるは、彼もだすために時を失ふことなく、なほ問ふことあらばいひて彼に問へ 七九—八一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されども浪子は父の訓戒いましめここぞと、われをおさえて何も家風に従わんと決心のほぞを固めつ。その決心を試むる機会は須臾すゆに来たりぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
須臾しばしを待つ間を、法壇を二𢌞り三𢌞り、緋の袴して輪に歩行いた。が、此は鎭守の神巫に似て、然もなんば、と言ふ足どりで、少なからず威嚴を損じた。
「あがへるこころぐやと、早く来て見むとおもひて」(巻十五・三六二七)、「相見ては須臾しましく恋はぎむかとおもへど弥々いよよ恋ひまさりけり」(巻四・七五三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
幼婦をとめごおなこころ須臾しましくときむとぞおもふ 〔巻十二・二九二一〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
折ふし延宝二年臘月ろうげつ朔日ついたちの雪、繽紛ひんぷんとして六美女の名にちなむが如く、長汀曲浦ちょうていきょくほ五里に亘る行路の絶勝は、須臾たちまちにして長聯ちょうれん銀屏ぎんぺいと化して、虹汀が彩管さいかんまがふかと疑はる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
己酉つちのととり(二十八日)……さらに日本やまと乱伍らんご中軍ちゅうぐんの卒を率いて進みて大唐の軍をつ。大唐、便すなわち左右より船をはさみてめぐり戦う。須臾とき官軍みいくさ敗績やぶれぬ。水におもむきて溺死しぬる者おおし。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)