“長汀曲浦”の読み方と例文
読み方割合
ちょうていきょくほ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ九十九里だけが平々凡々たる海岸の風景。長汀曲浦ちょうていきょくほと言いたいが、曲浦の趣はなくて、ただ長汀長汀ですから、単調を極めたものです
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私はしばら恍惚こうこつとして其処にたたずんでいた。私の歩いて来た街道は、白泡しらあわの砕けている海岸に沿うて長汀曲浦ちょうていきょくほの続く限り続いている。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
折ふし延宝二年臘月ろうげつ朔日ついたちの雪、繽紛ひんぷんとして六美女の名にちなむが如く、長汀曲浦ちょうていきょくほ五里に亘る行路の絶勝は、須臾たちまちにして長聯ちょうれん銀屏ぎんぺいと化して、虹汀が彩管さいかんまがふかと疑はる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)