“たか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タカ
語句割合
35.7%
14.1%
11.4%
多寡10.3%
7.2%
高価4.5%
3.4%
2.3%
1.5%
1.2%
1.1%
高値0.8%
0.7%
0.6%
0.5%
高價0.3%
0.2%
金額0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
蒼鸇0.2%
0.2%
0.2%
高処0.2%
0.1%
放鷹0.1%
不廉0.1%
0.1%
他花0.1%
0.1%
依附0.1%
価貴0.1%
0.1%
0.1%
囲繞0.1%
0.1%
多加0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
群衆0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
高料0.1%
高給0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近所きんじょいえの二かいまどから、光子みつこさんのこえこえていた。そのませた、小娘こむすめらしいこえは、春先はるさきまち空気くうきたかひびけてこえていた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
の眼たかの眼で再び函の中を調べ始めたのであったが、ちょうど木乃伊ミイラの足許に当る部分あたりから、さまざまのものが現れ始めた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
あんな風になすっていいものだろうか、由紀はたかぶってくる気持を抑えようもなく、この日ごろの姑の態度を一つ一つ思いかえした。
日本婦道記:藪の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二人の交際が、どこまで進んでいるのか知らないが、思い過ごしすることも、多寡たかをくくることも、どちらも同様に危険だと思った。
なんにもならないで、ばたりと力なく墓石から下りて、腕をこまぬき、差俯向さしうつむいて、じっとして立って居ると、しっきりなしに蚊がたかる。
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
月給の高価たかいのを目標に集まって来たような連中ばかりだから、内地の官吏よりもズット素質が落ちていたのは止むを得ないだろう。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わるへば傲慢がうまんな、下手へたいた、奧州あうしうめぐりの水戸みと黄門くわうもんつた、はなたかい、ひげしろい、や七十ばかりの老人らうじんでした。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼は、それがうれしいのだ。炭薪の消費も、一年間のたか、半分以下に減って来たが——そんな数字よりは欣しいのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淫靡いんぴ、精根、たぐいの無い饒舌の珍らしさに、後から後からと黒山のようにたかって、盛んに拍手し喝采もしていた聴衆も、あまりの目まぐるしさに
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
殿方よりは夫人おくがたの、身分たかいが流行りまする、当節柄の人気には、秋田様が真実の里方でない事を、人も知つて、とやかくの噂を致してゐるとやら。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
たかぶった感情の流れるままに、あなたに恋人がありましょうとも、よしんば許婚がありましょうとも、そのようなことは数にも入れず
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
死しても皮を留むなる、獣の皮は幾十倍、高値たかく売れても、人といふ、その価の下がるが気の毒と。世間の評判朝夕に、一郎が耳にも伝はれど。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
神曲に見えたるベアトリチエとの戀は、はやく九歳の頃より始りぬ。千二百九十年戀人みまかりぬ。是れダンテが女性の美の極致にして、ダンテはこれに依りて、心を淨めおもひたかうせしなり。
舟の落下につれて、洞内の温度が急激にたかまっていく。一時間の終りごろになると、誰も彼も汗みずくになって、犬のように舌を出してハアハアと喘ぎはじめた。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼等の啼声が以前空を飛び、またはたかい木の枝に休んで、仲間を待ち合せる際に発していた声と、この頃は大分ちがった囀りを交えるようになった。
「あれは高價たかさうだ。いくらするだらう」「壹圓位のものだわ」「壹圓? そいつは驚くねえ。月給十五圓で壹圓の雪駄か」「だけれどもあれ位のにして置けば三月や四月は穿けるわ」
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
 元住吉の野なか、車中からわたしは一羽のかさゝぎをみとめた。痩身長脚、羽根は霜を浴びたほどに白い。——たかい野のけやきにとまるとき、それは樹をひきたたせる頭飾りぼんとなつた。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
旦那だんな、」と彼は言った、「よろしゅうござんす。あなたがその人ですから。しかし『種々の入費』を払っていただかなければなりません。だいぶの金額たかになります。」
ゆうべきつねのくれし奇楠きゃらたか
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
せ申した。せ申した。方々、かようでござる。木の枝を断ち申したるあと、癒え申せばたかくなるでござろう。塵土あつまれば、これもたかくなるでござろう。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
葱を伏せつつ、怖々こは/″\うねたかみを凝視みつめゆく
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのほか戦後の混乱時に、よく闕下けっかの治安を維持したなども、尊氏の功は少なしとせぬ。……さればこそ。おん諱名いみなの『たか』の一字をさえ賜うたほどなご嘉賞ではなかったか。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時の彼の眼には必然の結果としていつでも軽い疑いの雲がかかった。それが臆病にも見えた。注意深くも見えた。または自衛的にたかぶる神経の光を放つかのごとくにも見えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蒼鸇たかの飛ぶ時よそはなさず、鶴なら鶴の一点張りに雲をも穿うがち風にもむかって目ざす獲物の、咽喉仏のどぼとけ把攫ひっつかまでは合点せざるものなり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
自分がもしそれを持ったなら、まるで、変り羽毛の雛鳥ひなどりのように、それを持たない世間から寄ってたかって突きいじめられてしまうではないか。弱きものよなんじの名こそ、まこと。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ヂュウスの*息とたかぶれるプリアミデース・ヘクトール
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
がらがらと、岩のえる響き。——ちょうど其が、此盧堂の真上の高処たかに当って居た。こんな処に道はない筈じゃが、と今朝起きぬけに見ると、案の定、赤岩の大崩崖おおなぎ
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
同じ頃狩谷棭斎かりやえきさいむすめたかに少納言の称があったので、五百はこれにむかえてかく呼ばれたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
柏軒の正妻狩谷かりやたかの生んだ子は、幼くて死した長男棠助とうすけ、十八、九歳になって麻疹ましんで亡くなった長女しゅう、狩谷棭斎えきさいの養孫、懐之かいしの養子三右衛門さんえもんに嫁した次女くにの三人だけで
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ひとりは、左のこぶし放鷹たかを据え、獲物を入れる網ぶくろを、大小と反対のほうへげ、うしろに、はしこそうな茶いろの猟犬をつれていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いったい、放鷹たかをつかうのに、猿など連れて歩くという法はない」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝鮮牛てうせんうし大分だいぶ輸入ゆにふされたがいねころのやう身體からだ割合わりあひ不廉たかいからどうしたものだかなどといふことが際限さいげんもなくがや/\と大聲おほごゑ呶鳴どなうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
四こくはうみのたかにこそあれ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
他花たかの花粉で、自分の花の受精作用を行わんがために、このサクラソウの花は雄蕊ゆうずいの位置に上下があり、雌蕊しずいの花柱に長短を生じさせているのである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
寺内の若僧、庄馬鹿、子坊主までつてたかつて、火をともして、其を本堂へと持運ぶ。三人はその為に長い廊下を往つたり来たりした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と、其処に草鞋虫わらじむしの一杯依附たかった古草履の片足かたしか何ぞが有る。い物を看附けたと言いそうなかおをして、其をくわえ出して来て、首を一つると、草履は横飛にポンと飛ぶ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
早や数百金にもなりつらむと思ふ頃、その中より数枚を取り出し、丸山の妓楼に上り、心利きたる幇間に頼みて、の香煙の器械一具と薬の数箱を価貴たかく買入れぬ。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
誰しも今夜は、見知らぬ父母にあこがれて、母の乳首のたかまり、厚い脂肪の底から伝わる、軟らかな脈打ちの音に、眠らぬ一夜を過すにちがいないと思った。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
てうるや、(三九)きみこれおよべばすなは(四〇)げんたかくし、これおよばざればすなは(四一)おこなひたかくす。くにみちればすなは(四二)めいしたがひ、みちければすなは(四三)めいはかる。
囲繞たかつた職人達は高笑たかわらひをした。ミハイロも一緒になつて高笑をして、心の中で
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
木立こだちわづかにきたる所に、つちたかみたるが上に、石を三かさねにたたみなしたるが、二三荊蕀うばら薜蘿かづらにうづもれてうらがなしきを、これならん御墓みはかにやと心もかきくらまされて
自分はそちらに背を向けながら、もう一度眠りにはいろうとした。すると妻がこう云った。「いやよ。多加たかちゃん。また病気になっちゃあ」
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
出世をたかぶらない、下のものにも気の軽そうな気質は、一言ひとこと二言ふたことの言葉のなかにもほのめいて見られる。
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
花一つ、蕾一つ、高薫氤氳いんうん、発して我が面をうち、乱れて一室の浮塵を鎮め去る。これはお向のたかさんの家からの借物なれど、我が愛は初めて姉に女の児の生れたりし時よりも増れる也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
しゅに呼ばわれたるなんじら、爾らのいかなるものなるやを考えみよ。肉よりすれば、爾らのうち多くの賢き者なく、多くの強き者なく、多くのたかき者あるなし。
わたしは千葉の者であるが、馬琴ばきんの八犬伝でおなじみの里見の家は、義実よしざね、義なり、義みち実尭さねたか、義とよ、義たか、義ひろ、義より、義やすの九代を伝えて、十代目の忠義ただよしでほろびたのである。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
たかい冠をいただいて、手にあかざの杖をついています。眉白く、皮膚は桃花のごとく、容貌なんとなく常人とも思われません」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二十歳に近い伊藤のたけさん、その弟のひでさん、藤野のひとしさん、戸塚のたかさんと私の二つ違ひの兄とで、皆十五、六歳の年恰好、おいさんを合せて八人の一行であつた。
初旅の残像 (新字旧仮名) / 安倍能成(著)
道々の在々所々の庄屋、大百姓ども召寄せられ、馬のはみをば合せぬかにせよ。先手先手に、もちたるたしなみの米を出したかせよ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょっとした鍋俎板まないた庖丁膳椀皿なども用意しているので、少しも人の世話にならずに食事をするのであるが、飯だけは、船に附いている竈で、家来にたかせる。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
その木像まで刻むというは恋に親切で世間にうと唐土もろこしの天子様が反魂香はんごんこうたかれたよう白痴たわけと悪口をたたくはおまえの為を思うから、実はお辰めにわぬ昔とあきらめて奈良へ修業にいって、天晴あっぱれ名人となられ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
根葉ねはからちけば、昨年こぞ今年ことしなてや、首里しゆりをさめならぬ、那覇なはをさめならぬ、御百姓おひやくしやうのまじりかつじにおよで、御願おねげてる御願おねげたかべてるたかべ、肝揃きもそろてゝ、肝揃きもそろげは
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
塵埃ほこりたかる時分にゃあ掘出しのある半可通はんかつうが、時代のついてるところが有りがてえなんてえんで買って行くか知れねえ、ハハハ。白丁はくちょう軽くなったナ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
御部屋は竹縁ちくえんをめぐらせた、僧庵そうあんとも云いたいこしらえです。縁先に垂れたすだれの外には、前栽せんざいたかむらがあるのですが、椿つばきの油を燃やした光も、さすがにそこまでは届きません。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
会場の中でも大きな四方硝子ガラスの箱のとびらをはずして真ん中へ敷き物を敷いて四ツの狆を陳列ならべました。数が四つというので、見栄みばえがする。見物が大勢それにたかってなかなか評判がよろしかった。
立女形たておやま、あの花形に、蝶蜂の群衆たかった中には交らないで、ひとり、束髪たばねがみの水際立った、この、かげろうの姿ばかりは、独り寝すると思ったのに——
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
多勢が寄ってたかって、むりに女のたぶさを放させたが、それにさからったというので、とうとう万年屋を袋叩きにしてしまった。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
兎に角斯う種々様々の傷の有る所を見れば、よいかえきゝたまえ、一人で殺した者では無い大勢で寄てたかッて殺した者だ(大)成る程—(谷)シテ見れば先ず曲者は幾人いくたりも有るのだが
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
朝のテニスをなげかひて、 額はたかし 雪の風。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
九万吉氏は、先代、石田与惣兵衛の養女たるたか子さま(現在の賢夫人)と結婚するという条件で、アメリカの大学へ留学させてもらったが、同学の合衆国美人と恋仲になり
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いうことば半ばにして海野はまた感謝状を取直し、ぐるりと押廻して後背うしろなる一団の軍夫に示せし時、戸口に丈たかき人物あり。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夏にはたかを腕に据えよ。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
れも其辺そこら勧工場くわんこうばで買へない高料たかい品を月に一遍位はきつと持つて来た子。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
そのために高給たかい給料で新しい演技者を雇い入れているが、一緒に行かないかと云って、同じ下宿に居たコック上りの露西亜ロシア人が誘いましたので、すぐに加入の約束をしてしまったのです。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
西村某と云ふ鷹匠たかじょうあり。たかを捕らんとて知頭ちず蘆沢山あしさわやまの奥に入り、小屋を掛けて一人住みけり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)