“簇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むらが44.1%
むら37.8%
あつ4.5%
まぶし2.7%
2.7%
むらがり2.7%
むれ1.8%
やじり1.8%
しんし0.9%
たか0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と下にむらがっている男の中でも、図抜けて背の高い柿色の道服に革鞘の山刀を横たえた髯むじゃらな浪人が、一人の乾分こぶん我鳴がなりつけた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取りつくろはぬ矮き樹の一もと二本庭なる捨石の傍などに咲きたる、或は築山に添ひて一トむら一ト簇なせるが咲きたる、いづれも美し。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
中央には黄なる花多くあつめて、その角立ちたる紋を成したる群を星とし、その輪の如き紋を成したる束を日とす。
とはいえ、季節は折柄養蚕上まぶしに際し、百姓は働けども働けども忙しい。しかも、働き盛りの青年が、酒をあおって節季せつきを等閑視したとあっては、荒神さまに申しわけがたたぬであろう。
しゃもじ(杓子) (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
いと小さき花のれて咲くさま、花の数には入るべくもあらず見ゆるものながら、庭の四つ目籬の外などに、我はがほもせず打潜みたる
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
何といふ悲しい光景シーンであろう、そこには不意の輝きに驚かされた柿の木が真青に顫へ上つた、と思ふと、濡れた葉とまた真青な果のむらがりがキラキラと私の眼を射返した。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
二人は馬に騎ろうと思ッて、近づく群をよくればこれは野馬のむれではなくて、大変だ、敵、足利の騎馬武者だ。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
「かれくろがねうつわを避くればあかがねの弓これをとおす、ここにおいてこれをその身より抜けばひらめやじりそのきもよりで来りて畏怖おそれこれに臨む」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しんしと聞いていい許の息子かは慌て過ぎる、大晦日おおみそかに財布を落したようだ。しんしだよ、張物に使う。……押を強く張る事経師屋以上でね。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
会場の中でも大きな四方硝子ガラスの箱のとびらをはずして真ん中へ敷き物を敷いて四ツの狆を陳列ならべました。数が四つというので、見栄みばえがする。見物が大勢それにたかってなかなか評判がよろしかった。