“む”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
29.7%
27.8%
9.4%
6.6%
4.9%
4.8%
4.8%
4.0%
1.5%
1.4%
0.6%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
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0.1%
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0.1%
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皮剥0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奇麗きれいなすきとおった風がやってまいりました。まずこうのポプラをひるがえし、青の燕麦オートなみをたてそれからおかにのぼって来ました。
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その次はすっかり変って般若はんにゃの面が小く見えた。それが消えると、らい病の、頬のふくれた、眼をいだような、気味の悪い顔が出た。
ランプの影 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
うすもころがしてました。おもちにするおこめ裏口うらぐちかまどしましたから、そこへも手傳てつだひのおばあさんがたのしいきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
稲荷町へ行き着いてみると、富蔵の家は半焼けのままでくずれ落ちて、せるような白い煙りは狭い露路の奥にうずまいてみなぎっていた。
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人間と同じように歌わせることだけはつかしいが、器楽が自由自在に演奏出来るのだから、追々と歌や言葉だって出来ない筈はない
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
たふうへにははとあそぶさうである。く。花屋敷はなやしきをのがれたざうたふしたきた。ざう寶塔はうたふにしてしろい。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
最前血を吐いたらしい処には、白い石灰の粉が撒き散らしてあって、エグイ、せっぽい刺激を含んだ匂いがプーンと鼻に迫って来た。
童貞 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
所名ところな辻占つじうらも悪い。一条戻り橋まで来たときだった。供奉ぐぶの面々は急にながえを抑えて立ちどまった。いやしゃ二、み車をまわし初めた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一時は、っとして、門につばきして去ろうとまで思ったが、武蔵は、そう解釈して、寝ころんでいた。かぞえても幾人もない親類である。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辰男の明方の夢には、わらびえる学校裏の山が現われて、そこには可愛らしい山家乙女やまがおとめが真白な手をきだして草を刈りなどしていた。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
勿論、顔もおりおりは湯舟の中でお洗いになってき合っても、そんなことは一つも気にしないふうだったと、山本さんは言った。
四五年前までは、まだ和蘭陀から持て来た、小い黄いろな煉化石で積み上げた、格子窓の附いた、屋根の正面に破風を造つた、その上に風のきを知らする鶏が立つて居る家が、沢山残つて居ました。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
僕は夫人とさ程親しい訳ではなかったから、この惨死体を見て悲しむよりは怖れ、怖れるよりはしろ夢の様な美しさに打たれたことを告白しなければならない。
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その仕事はあなたの性質や傾向には寧ろかないものだつたのに、あなたは才能と腕でそれをやり遂げ、子供をよく管理することも、またなつけることも出來たのです。
女優が待つてゐるうちに応接間の置時計は三度ばかり当てつけがましく時を打つた。幾らかくれ気味になつた女優は、険しい眼つきをして次のに顔を覗けた。
「餓鬼等何を見るんでえ。」と三吉まなこきて疾呼しっこすれば、わいわいと鯨波ときを揚げて蜘蛛くもの子の散るがごとし。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
胸突き八丁の登り口に近く、青い苔のした断崖からは、金性水きんせいすいと呼ぶ清泉が滾々こんこん瀑布たきのごとく谷間に流れ落ちている。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
と云いかけ親父の顔を見て、恥かしそうに下をき真赤になりました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これは球突たまつきすこしやつた人のたれしも經驗けいけんする事で、よる電氣でんきして床にはひるとくら闇の中に赤白の四つのたまをのせた青い球台たまたいかんで來て、り方を中で空想くうそうしたりする。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
は——武士の武……」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山のなかの所どころにれ立っている竹藪。彼らは闇のなかでもそのありかをほの白く光らせる。
闇の絵巻 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
或る夜の月にした坐敷へは何処やらの工場の一れ、どんぶりたたいて甚九じんくかつぽれの大騒ぎに大方の女子おなごは寄集まつて、例の二階の小坐敷には結城とお力の二人ぎりなり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やみの如むくみぬ。すは
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
名札を呉れろの家名は何だのと根掘り葉掘りするは、二度と来ない客か、来ても自腹を切らない客だと或老妓の言ったのは、この男の容子から考えて、べ経験のあることと信じられた。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
此男勇漢ゆうかんなれば三に草木を分けて山を越、谷をわたりてかの根元こんげんをさぐりみるに、たゞ何のことなる事もなき石なり。ひろひとりてかへるに道すがら光ること前の如し。
またはいくらかの純情があったにせよ、とにかくその冷たそうにみえる一と皮をしり取って、情熱の火を燃やしたてたということだけでも、葉子はくすぐったい得意をひそかに感じていたのであったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私の口からは申せぬほどのごたらしい有様でした。
偽悪病患者 (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ここに千引のいはをその黄泉比良坂よもつひらさかに引きへて、その石を中に置きて、おのもおのもき立たして、事戸ことどわたす時二〇に、伊耶那美の命のりたまはく
ここにその將軍既に詐りをけて、弓をはづし、つはものを藏めつ。ここに頂髮たぎふさの中よりけのゆづるり出で更に張りて追ひ撃つ。かれ逢坂あふさかに逃げ退きて、き立ちてまた戰ふ。
ここに大楯の連が妻、その王の玉釧を、おのが手にきてまゐけり。ここに大后いはの日賣の命、みづから大御酒のかしはを取一五らして、もろもろ氏氏の女どもに賜ひき。
かれここに邇藝速日にぎはやびの命三八まゐきて、天つ神の御子にまをさく、「天つ神の御子天降あもりましぬと聞きしかば、追ひてまゐ降り來つ」とまをして、天つしるし三九を獻りて仕へまつりき。
平田は上をき眼をねむり、後眥めじりからは涙が頬へすじき、下唇したくちびるは噛まれ、上唇はふるえて、帯を引くだけの勇気もないのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
くくあごをわざと突き出したほど上をき、左の牙歯いときりば上唇うわくちびるんでいるので、高い美しい鼻は高慢らしくも見える。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
のどが渇くと栗番小屋の側の梨畑から採って来た梨を、皮もかずに、かすぐるみ呑み込んでしまう。そしてまた地上にごろりと寝そべって木の間から漏れる雲間を眺める。
それにおひるもまだ食べなかったので耐えやらぬ空腹を感じた。けれど何も食うものはない。力なく私は籾俵もみだわらりかかって、足下にこぼれている籾を拾っては一粒一粒と爪で皮をいてんだ。
と云われ、伊之助はッとしていきなり扇で正孝の頭をピシャリ。
それから乾菓子ひぐわしべました。おほきなとり其味そのあぢわからないとつてこぼす、ちひさなとりせて背中せなかたゝいてもらう、それは/\大騷おほさわぎでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
まだかさらんちゅうことだてば、判官様に、嫁様が来ただら、化けて来べえて、ハッハッハッ。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
およそこの倭建の命、國けに𢌞りでましし時、久米くめあたへが祖、名は七拳脛つかはぎつね膳夫かしはでとして御伴仕へまつりき。
ひきしる鳩の毛の白いほめき?
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
眼鏡の花田はからすの羽毛をしってしまって俎の上で肉を叩きにかけていました。そばを小川が流れています。西北の丘陵から水を落して、小合溜こあいためという貯水池が作ってあります。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
昼のうちにれていた田から、気持の悪いぬるい風が、ボー、ボー、と両頬に当って、後へ吹いて行った。歩いて行くのに従って、蛙が鳴きやみ、逆に後の方から順々に鳴き出した。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
ゲリジムの山頂には古き建物の跡多く、エバルの山には一面に覇王樹しやぼてんしげれり。覇王樹は土地の人新芽を皮剥きて咀嚼す。
いうなる姿すがたつるゝよ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
それに一日に三百円もかかるんでやり切れないで帰って来たが、足がくんでだるくてしようがない、こんなに腫くんでるのよ、と足を出してすねのところを指で押すと、指の跡に穴があく。
三浦環のプロフィール (新字新仮名) / 吉本明光(著)
いた。武は
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
しかもれいる母達よ。御身等の名を以て己は行う。
新吉はばつが悪そうに振りいて、淋しい顔にみを浮べた。「笑談じょうだんじゃねえ。明日から頭数が一人殖えるんだ。うっかりしちゃいらんねえ。」と低声こごえで言った。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
窓がしまつてゐるので、客車はれてゐた。旅から帰る子供達を誰も待つてゐるものゝない寂しさは、子供達には兎に角、彼には又何となく懐しいものに思へた。
芭蕉と歯朶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)