“脱(む)” の例文
咽(のど)が渇くと栗番小屋の側の梨畑から採って来た梨を、皮も脱(む)かずに、滓(かす)ぐるみ呑み込んでしまう。そしてまた地上にごろりと寝そべって木の間から漏れる雲間を眺める。
それにおひるもまだ食べなかったので耐えやらぬ空腹を感じた。けれど何も食うものはない。力なく私は籾俵(もみだわら)に凭(よ)りかかって、足下にこぼれている籾を拾っては一粒一粒と爪で皮を脱(む)いて噛(か)んだ。