“沓脱石”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くつぬぎいし79.2%
くつぬぎ20.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、縁側の型ばかりの沓脱石くつぬぎいしの上に、その足跡にピッタリ一致する古い桐の地下穿きがチャンと脱いであったのである。
夢遊病者の死 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
沓脱石くつぬぎいしの上に立ってモジモジしているのを、座敷へ上らせないように、急いで座布団ざぶとんを持って来てそこの縁端えんはなに席を設けた。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「カッフェーとはまた別だな。これが江戸趣味ッていうんだろうな。」と矢田は沓脱石くつぬぎの上に両足を投出して煙草へ火をつけた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
外廊の沓脱石くつぬぎには、いつか穿履はきものまでそろえてある。そこらの家中の侍たちへ師直は小声で何かいい残していた。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)