“嚮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むか32.1%
さき28.6%
21.4%
さつき7.1%
むき3.6%
3.6%
むこ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金魚がマホメット本寺カセドラル円頂塔ドームに立籠って風速にむかっている、それをコルクの砂漠に並んでアネモネの花が礼拝している。これは活花台だ。
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
さきよりこの一群に、着きつ、離れつ随ひ来れる油売、実は伊留満いるまん喜三郎、油桶は持たで、青き頭巾かぶれる。叱咤せられ、袖かざしてすさる。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
好運が急角度で自分の方にきかえり、時節が到来したように思われ、大島のついの不断着のままの銀子を料亭の庭の松のかげに立たせて
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
少時しばらくするとさつきの老人がそこへ現はれた。然し姿は前とは異つて、羽織を着け袴を穿いてゐた。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
龍卷は島を離れて走る如し。翁。此小舟の若し岩に觸れて碎けずば幸なり。語未だ畢らず、龍卷のむきは一轉せり。一轉して吾舟の方に進めり。そのきこと飇風へうふうの如し。
といふ考が段々發展して、きに考へた道徳的負擔から逃れる爲めといふよりも、樂な心持を與へた。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
みんなみかけり北にむこ