たか)” の例文
玉敷たましきの都の中に、むねを並べいらかを争へる、たかいやしき人の住居すまひは、代々よよてつきせぬものなれど、これをまことかとたづぬれば、昔ありし家はまれなり。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そのほか戦後の混乱時に、よく闕下けっかの治安を維持したなども、尊氏の功は少なしとせぬ。……さればこそ。おん諱名いみなの『たか』の一字をさえ賜うたほどなご嘉賞ではなかったか。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)