“前栽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんざい94.1%
ぜんさい2.0%
ぜんざい2.0%
センザイ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ごめんと通って——藤吉郎は門内の前栽せんざいたたずんだ。庭へ通う道と、入口へ向う道との、いずれへ通ったものか一思案という顔だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
音たてぬやうに廊下に出ると前栽ぜんさいの草むらに切りに蟲がいて居る。冷い板を踏んでやがて臺所の方に出た。平常は明け放してある襖が矢張り冷いからだらう今夜はきちんと閉めてある。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
前栽ぜんざいでは樹木を掘り起し、池の水をき止め、築山つきやまの一部を崩しなどしているが、此処では国経が自ら庭に下り立って、木や石の布置をいろ/\に工夫して見たりしている。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
歌合せの異式とも見える「前栽センザイ合せ」は、消息の歌文を結ぶ木草の枝の風流から出て居る。歌合せは整理せられて、宴遊の形をとつた。だがよく見ると、厳かな神事から出た俤を止めてゐる。