“一杯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっぱい33.1%
いつぱい22.0%
ひとつ21.3%
いっぺえ8.7%
いっぺい5.5%
ひとつき2.4%
いつぺえ2.4%
ひとつぎ0.8%
いち0.8%
いつぺエ0.8%
ひとくち0.8%
わんかぷ0.8%
イツパイ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それと同時に、林の中はにわかにばさばさ羽の音がしたり、くちばしのカチカチ鳴る音、低くごろごろつぶやく音などで、一杯いっぱいになりました。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一杯いつぱい……無事ぶじ直江津なほえつ上陸じやうりくしたが、時間じかんによつて汽車きしや長野ながのまつた。扇屋あふぎやだつたか、藤屋ふぢやだつたか、土地とちほしくらかつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「どうだね、一杯ひとつ」と、西宮は猪口をさした。吉里は受けてついでもらッて口へ附けようとした時、あいにく涙は猪口へ波紋をつくッた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
庄「まア/\宜い、若衆わけいしさん、買う買わねえは兎も角も一杯いっぺえ此処で飲みねえ、おめえも何だろう、腹からの車挽くるまひきじゃアあるまいうちは何処だい」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
亥「冗談じゃアねえ知らしてくれゝばくせ鰹節かつぶしの一本かすっぺい酒の一杯いっぺいでも持って、旦那お芽出度めでとうござえやすと云って来たものを」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そは好趣味ありと謂ふべし。さらば、即興詩人の君、アヌンチヤタの健康を祝して一杯ひとつきを傾けてん。(我は苦痛を忍びてさかづきうちあはせたり。)
今度こんだこさあ、捕縛つかまつちや一杯いつぺえらあんだんべ」畑同士はたけどうし痛快つうくわいかんじつゝ口々くち/″\ういふことをいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
八五薄酒うすきさけ一杯ひとつぎすすめ奉らんとて、八六高坏たかつき平坏ひらつきの清らなるに、海の物山の物りならべて、八七瓶子へいじ土器かわらけささげて、まろや酌まゐる。
おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前にすくまって、下げ煙管ぎせるの投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ひっぱずし、沸立にたった湯をながしへあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎麦ざるそば一杯いちめた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「近づきのしるしに、どこかで一杯ひとくちやろうじゃねエか」
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荒神まつりの文句じゃねえかともかんげえてみましたがそうでもないらしんで……ズットあとになって聞いてみましたら「日本じゃぱん専売局がばめん台湾ふおるもさ烏龍茶ううろんち一杯わんかぷ十銭てんせんすイラハイかむいんイラハイかむいん」てんですから禁厭まじないにも薬にもなれあしません。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
手間取テマドりと春風ハルカゼ一杯イツパイ
津軽地方特有の俚諺 (新字旧仮名) / 福士幸次郎(著)