“濺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そそ77.8%
そゝ22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むろん此等これらの人達は、すでに地上とはきれいに絶縁してしまい、彼等の墓石の上に、哀悼の涙をそそぐものなどは、最早もはやただの一人もない。
少女は驚き感ぜしさま見えて、余が辞別わかれのためにいだしたる手をくちびるにあてたるが、はらはらと落つる熱きなんだをわが手のそびらそそぎつ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
高時殿はどうせ家を滅ぼす奴だから難有ありがたい人物ではなからうけれど、一族二百人枕を並べて自殺した最期は心あるものの涙をそゝぐ種だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
そゝぐ涙に哀れをめても、飽くまで世を背に見たる我子の決心、左衞門いまは夢とも上氣とも思はれず、いとしと思ふほど彌増いやまにくさ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)