“唆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そそ51.4%
そその20.7%
そそのか10.0%
5.7%
そゝの5.4%
そゝ3.9%
けし1.1%
おだ0.4%
さら0.4%
そそっ0.4%
ソソ0.4%
ソヽ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卑しくも私の趣味性をそそるものあらば座右に備えて悠々自適ゆうゆうじてきし、興来って新古の壱巻をもひもとけば、河鹿笛かじかぶえもならし、朝鮮太鼓も打つ
亡び行く江戸趣味 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
クレメンテにそそのかされて我を狩りたるコセンツァの牧者、その頃神の聖經みふみの中によくこの教へを讀みたりしならば 一二四—一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
間もなくおすぎは芳三にそそのかされて叔父の家を出た。ひとつは同年輩の従姉妹との間がうまく行かなくて叔父の家も居辛かったのである。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
その言葉と一種のにやにや笑いとがおれをしかけたんだ。おれは自分でも吃驚びっくりしたんだが、かっとのぼせたみたようになって
陽気な客 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
……れば御身おみは、わかいものゝ尻圧しりおししていしるまでもはたらけ、とはげますのぢや。で、そゝのかすとはおもふまい。徒労力むだぼねをさせるとはるまい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たえ子はかつとしたやうな不思議ふしぎな戦慄を身に感じた。そして不思議な好奇心が彼女をそゝつた。勿論不可抗的な運命のやうに、彼女の手が働きかけた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
現にその晩わざわざ弟子を呼びよせたのでさへ、實は木兎をけしかけて、弟子の逃げまはる有樣を寫さうと云ふ魂膽らしかつたのでございます。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ほんとにそう思っているのかどうか三馬はおだてるように言った。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ことに、妹のアンナ・セザレヴィッチの何処どこか東洋的な、日本人向きの美貌びぼうが、兄妹の天才的な演奏と共に、楽壇の人気をさらっていた。その日の演奏は、確か三四回目の演奏会だった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
といった言葉が、ひどく私の好奇心をそそったからであった。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
あまり荘厳シヤウゴンを極めた建て物に、故知らぬ反感までソソられて、廊を踏み鳴し、柱をタタいて見たりしたものも、その供人トモビトのうちにはあつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
熊野八鬼ヤキ山の順礼殺しのからくり唄に、云ひ知らぬ恐怖をソヽられた心には、この大阪以外には、こんな鬼の住み処も有ることか、と思うてゐたのに、其大阪もとつとのまん中
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)