“擲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なげう33.0%
なぐ31.4%
10.8%
てき5.6%
たた5.2%
たゝ3.3%
2.0%
1.6%
ほう1.0%
どや1.0%
なげ1.0%
0.7%
はふ0.3%
うた0.3%
くら0.3%
たて0.3%
たゝか0.3%
たゝきつ0.3%
たゝく0.3%
どづ0.3%
なげうち0.3%
はた0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、同時に、そのために「一個の私情」たる恋愛をなげうつたといふ潔さは、彼義一にとつては、当然すぎるほど当然なことに思はれた。
花問答 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
その上何ぞというとなぐったり蹴飛けとばしたり惨酷ざんこくな写真を入れるので子供の教育上はなはだよろしくないからなるべくやりたくないのですが
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ハツバス・ダアダアは當時一流の埴瓮はにべつくりはじめて、これを氣象情致のはるかに優れたる詩人にげ付け、自ら恥づることを知らざりき。
欧羅巴ヨーロッパで十六、七世紀の頃行った事を、今日なお夢みているものもあるか知らぬが、もはやかくの如き夢想むそうは一てきすべきである。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
彼は、警察署に行くと、捕えられて来ていたその男を死ぬ程たたきのめし、自分は程近い地下鉄道に轢かれて命を落してしまったのです。
その都度、跳ね上り、わが体をたゝき、気狂ひの真似をして恥づかしさの発情を誤魔化さうとあせらずにはゐられないのである。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
威勢のいい弥次馬が、り飛ばしそうな勢いでこう呶鳴りながら、どんどん駆けて行った。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「エアさん、何んてあきれたことをするのでせう、お坊つちやまをつなんて! あなたの恩人の息子むすこさまを、あなたの若主人を!」
普通ならばとっくにもう花も変えて生けかえるべきものを、いつまでも水仙を生けたままでほうって置いてあったものとすると
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
『マア此人は!』と、富江はしたゝか昌作の背を平手でどやしつけた。昌作は赤くなつた顏をむつとした樣に口を尖らした。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
だからして虎は人を襲うに今度は誰を食うとちゃんと目算が立ちおり、その者現に家にありやと考えもし疑わしくば木枝を空中になげて、その向う処を見て占うという。
自分で吐く叫びによってち殺されるのだ。噴火によってわたしたちは死ぬのだ。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
勘次かんじにはからぬすむやうにては卯平うへいがおつたへ威勢ゐせいをつけてるやうにおもつた。かれいてつてさらわらくゝつた蕎麥そばたばをどさりととほくへはふつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
蹴飛すやら打つうたれつつかあひはては四邊もしんやみ上を下へとかへしけり斯るさわぎを見濟して捕手の役人聲々に上意々々と踏込ふみこむにぞ惡者わるもの共は是を聞コリヤたまらぬと一目驂もくさんやみを幸ひはう々に後を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
襟首を取って伏せて、長煙管ながぎせるせなかくらわすという仕置。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婆「遣らぬと云えば命に掛けても連れてきやすべえ、ったりたてえたりして疵を付けるような内へは置かれやしねえじゃアござんねえか、何処へ出てもお代官様へ出ても連れてくだア、はア」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ゆすりだのかたりだのとは云つしやる昆虫むしけら迄も殺さぬを殺生戒せつしやうかいとは申さずや罪なき一人の百姓を打たゝかんとは出家に似氣にげなき成れ方お釋迦樣は親をころしうを殺す五ぎやく罪人ざいにんでも濟度さいどなさるゝに此御寺を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
にしたかひなを、思切おもひきつたしるしに、たゝきつけやうとして揮上ふりあげた、……こぶしれて、ころ/\とさいこぼれて。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
追出おひいだそれたゝき出せといふ聲を聞より下男共は手に/\棒縢ばうちぎりたづさへて追立んとすれども三五郎は少しもさわがずたゝくなら勝手かつてたゝかつせい何を以て出家の口から私を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『此奴、此間もあの寺島の鉄工場の横で職工にどづかれたのでよ。何やら盗んだのだつて。狡猾い奴じやな』
年々数千の公資をなげうちてこの校を維持せらるるの盛意にそむくなきを信ずるなり(拍手、大喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
ウガチとかコガシとか申す者は空抜うろぬきにしてと断りながら、青内寺せいないじ煙草たばこ二三服馬士まごりの煙管きせるにてスパリ/\と長閑のどかに吸い無遠慮にほださしべて舞い立つ灰の雪袴ゆきんばかまに落ちきたるをぽんとはたきつ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
青草あをくさなかぼつして毒蛇どくじや直接ちよくせつれようとするものは一にんもないけれど、とほくから土塊どくわいつたり、ぼうさきでつゝいたりいたづらにおこきばふるはせることは彼等かれらこのんでするところであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)