“放擲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうてき74.7%
はうてき5.3%
うっちゃらか4.2%
うっちゃ4.2%
うつちや3.2%
うッちゃ1.1%
うちす1.1%
うっちゃっ1.1%
なげやり1.1%
はうりだ1.1%
ほうりだ1.1%
ほか1.1%
ほったらか1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もし、清国政府が日本政府に対して悪感情を抱き、現在の好意的な中立の態度を放擲ほうてきして逆に露西亜ロシアに傾いて行ったら、どうなるか。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
飯島いひじま夫人——栄子えいこは一切の事を放擲はうてきする思をしたあとで、子供を東京の家の方に残し、年をとつた女中のおつる一人連れて、漸く目的めあてとする療養地に着いた。
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
大塚さんは彼女を放擲うっちゃらかしてかまわずに置いた日のことを考えた。あらゆる夫婦らしい親密したしみ快楽たのしみも行って了ったことを考えた。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いいえ、放擲うっちゃッといとくれ。何だか云う事があるッていうンだから、それを……聞かないうちは……いいえ、わたしゃ……あンまり人を
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
仕事は放擲うつちやらかして、机の上に肘を突き兩掌でぢくり/\と鈍痛を覺える頭を揉んでゐると、女中がみしり/\梯子段はしごだんを昇つて來た。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
放擲うッちゃッておおきよ、小万さん。どこへでも自分の好きなとこへ行くがいいやね」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「しかし今日の戦国時代に、強兵策を放擲うちすてたなら、直ちに国土を失うでござろう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
放擲うっちゃってお置きなさいヨ。身から出たさびだもの、ちっとは塞ぐもいいのサ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
三四郎は此機会を利用して、丸卓まるテーブルわきを離れて、美禰子のそば近寄ちかよつた。美禰子は椅子の脊に、油気あぶらけのないあたまを、無雑作にたせて、つかれたひとの、身繕みづくろひこゝろなき放擲なげやり姿すがたである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とK君は放擲はうりだすやうな聲を出して、蒲團の中へ潜り込んだ。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
やがてまた持切れそうもない今の家を一思いに放擲ほうりだしてしまいたいような気分になっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
村をめられたが憎くねえだし、またそれまでに思わっしゃるものを、ただわかりましねえで放擲ほかしては、何かわし、気が済まねえ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「こんなに悪くなるまで放擲ほったらかして置くなんて——まあ、良い医者にもらうんだね」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)