“千尋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちひろ85.7%
せんじん14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうしても、身を投げると仰有るのでしたら、千尋ちひろの底までもお供いたします。一人残されては、一時いっときたりと生きようとは思いませぬ」
海にほろびたる平家の一門、かばねは千尋ちひろの底に葬られても、たましいは此世にとどまって、百年も千年も尽きぬ恨みをくり返すのであろうよ。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
泡立あはだなみ逆卷さかまうしほ一時いちじ狂瀾きやうらん千尋せんじんそこ卷込まきこまれたが、やゝしばらくしてふたゝ海面かいめん浮上うかびあがつたとき黒暗々こくあん/\たる波上はじやうには六千四百とん弦月丸げんげつまるかげかたちもなく
途端に、弁信も、竜之助も、あっ! と言って湖面を見たのは、千尋せんじんの断崖の一方から、今しこの湖水をめがけて、ざんぶと飛び込んだ者があります。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)