千尋せんじん)” の例文
泡立あはだなみ逆卷さかまうしほ一時いちじ狂瀾きやうらん千尋せんじんそこ卷込まきこまれたが、やゝしばらくしてふたゝ海面かいめん浮上うかびあがつたとき黒暗々こくあん/\たる波上はじやうには六千四百とん弦月丸げんげつまるかげかたちもなく
途端に、弁信も、竜之助も、あっ! と言って湖面を見たのは、千尋せんじんの断崖の一方から、今しこの湖水をめがけて、ざんぶと飛び込んだ者があります。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かれまへには、一座いちざなめらかな盤石ばんじやくの、いろみどりあをまじへて、あだか千尋せんじんふちそこしづんだたひらかないはを、太陽いろしろいまで、かすみちた、一塵いちぢんにごりもない蒼空あをぞら
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「近頃評判になっている、大谷千尋せんじんを御存じだわねエ」
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
あはれや千尋せんじんの底の藻屑となりをはんぬ。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
印度洋インドやうとて千尋せんじん水深ふかさばかりではない、立浪たつなみさわいでるのは、たしか其邊そのへん大暗礁だいあんせうよこたはつてるとか、いましも弦月丸げんげつまる進航しんかうしつゝある航路かうろそこ一面いちめん大海礁だいかいせうおほはれてるのであらう。