はら)” の例文
そこでかようにして亂暴な神たちを平定し、服從しない人どもを追いはらつて、畝傍うねび橿原かしはらの宮において天下をお治めになりました。
この歌の左に、「春日遅遅として、鶬鶊ひばり正にく。悽惆せいちうの意、歌にあらずば、はらひ難し。りて此の歌を作り、ちて締緒ていしよぶ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
直鎗ちょくそうとちがって、カギ鎗の特長というのは、三手みてが引ッ掛け、上下左右、四手よてはらい、さらにつき! またはらい! あわせて九ツのへんという」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでスセリ姫の命が蛇の領巾ひれをその夫に與えて言われたことは、「その蛇が食おうとしたなら、この領巾ひれを三度振つて打ちはらいなさい」
道誉! わしの血が、明日の天下を洗い、わしの声が、次代の雲をはらってゆくのを、眼に待っておれよ。……あははは、とんだ道化者に会うて、死出の道草を食ったわ。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでその大刀弓を持つてかの大勢の神を追いはらう時に、坂の上毎に追い伏せ河の瀬毎に追いはらつて國を作り始めなさいました。
しかるに、蒋門神のため、その素地したじ蹂躪じゅうりんされ、しかも軍権力もあるため、無念をのんでいた折です。そこへはからず高名な足下そっかをここに見いだして、まさに雲をはらッて陽を見るの思いです。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここにそのみめ須勢理毘賣すせりびめの命、蛇のひれをその夫に授けて、「その蛇はむとせば、このひれを三たびりて打ちはらひたまへ」
舌打ちするように四絃しげんを一ツぴしゃッとはらッて
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その汝が持てる生大刀生弓矢もちて汝が庶兄弟あにおとどもをば、坂の御尾に追ひ伏せ、また河の瀬に追ひはらひて、おれ一五大國主の神となり、また宇都志國玉うつしくにたまの神一六となりて
じくめ いとはらいて 三両声さんりょうせい
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(こは物部の連、穗積の臣、婇臣が祖なり。)かれかくのごと、荒ぶる神どもを言向ことむけやはし、まつろはぬ人どもを退はらひて、畝火うねび白檮原かしはらの宮四〇にましまして、天の下らしめしき。