“撥無”の読み方と例文
読み方割合
はつむ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それとも私が人間でなくなるのか? ……何方どっちだか其は分らんが、兎に角互の熱情熱愛に、人畜にんちく差別さべつ撥無はつむして、渾然として一にょとなる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
憎愛の二極を撥無はつむして、陰陽を統合した太極というような形の愛、それは理論的に考えて見られぬでもないことではあるが
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
一体太古の人間が一人一人穴居から這い出して来て、化学の原子のように離れ離れに生活していただろうと思うのは、まるで歴史を撥無はつむした話だ。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)