“抓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つま58.6%
つね33.2%
つか3.2%
2.3%
つめ1.8%
0.5%
むし0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
辰男はインキに汚れた骨太い指でつまんで大口に食べた。そして、冷たくなつてゐる手を内懷に入れて温めながら暫らく息休めをした。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
或る晩などは逃後にげおくれた輝方氏が女中につかまつて、恋女房の蕉園女史にしか触らせた事のない口のはたを思ひ切りつねられたものださうだ。
さかうろこを立てて、螺旋らせんうねり、かえつて石垣の穴へ引かうとする、つかんで飛ばうとする。んだ、揉んだ。——いや、おびただしい人群集ひとだかりだ。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何でこんなことをするのだろう? ときつねままれでもしたように、私には何が何だかわからなかった。
つめりましたりそんないたずらをしますのがいたって好きなのでござりましてわたしはねむってもあんさんはねむったらあかん
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
膝からまた真白まっしろ通草あけびのよう、さくり切れたは、俗に鎌鼬かまいたちけたと言う。間々ある事とか。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妙源 ——血でひたひたになった本堂の隅へ、悪魚の泳ぐように這いつくばって、とかげのような舌のきれむしりながら、「執念が何だ、邪婬の外道が何の法力に叶うかい」
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)