“ゆふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユフ
語句割合
76.4%
木綿7.3%
由布3.6%
油布3.6%
1.8%
夜更1.8%
斎布1.8%
1.8%
1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一時間ほどして船が再び棧橋さんばしに着いた時、函館はこだての町はしらじらとした暮靄ぼあいの中に包まれてゐたが、それはゆふべの港の活躍の時であつた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
住の江の松に夜深く置く霜は神のけたる木綿ゆふかづらかも
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
大夕立おおゆだち来るらし由布ゆふのかきくもり
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
「ただ、わずかに考えられる一つの策は、死を惜しまぬ将一人に、これも決死の壮丁十人を募り、燃えやすい樹脂や油布ゆふになわせて、風の夜、城中へ忍び入り、諸所から火を放つことです」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、ゆふとなって、ゆきやまもりさとるころになると、西にしやまに、またしても、ありありと牛女うしおんなくろ姿すがたあらわれました。むら人々ひとびと子供こどもらはふゆあいだ牛女うしおんなのうわさでもちきりました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夜更ゆふけのせゐか、東京の郊外を歩いてゐるやうな、平凡な町であつた。年寄りの宿引きの案内で、山吹荘といふ小さい旅館へ案内された。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
院が御後援者でいらせられるからである。出立の日に源氏から別離の情に堪えがたい心を書いた手紙が来た。ほかにまたいつきの宮のお前へといって、斎布ゆふにつけたものもあった。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「なる程ゆふべは月のない晴夜だつたからね。」
円卓子での話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ちまきゆふ片手にはさむ額髪
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)