“尽”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
つく31.8%
ことごと26.1%
24.6%
つき5.5%
こと/″\4.2%
つか2.5%
づく2.0%
じん0.5%
づくし0.5%
ことごとく0.2%
すべ0.2%
0.2%
つきて0.2%
つくし0.2%
つくす0.2%
0.2%
はずれ0.2%
コトゴト0.2%
ツキ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて一同の目の前には天下の浮世絵師が幾人よって幾度いくたび丹青たんせいこらしても到底描きつくされぬ両国橋りょうごくばしの夜の景色が現われいづるのであった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
既に決定せられたがように、たとえこの頂きに療院が許されたとしても、それは同時にことごとくの麓の心臓が恐怖を忘れた故ではなかった。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そらこが狼火のろし……そして最後さいご武運ぶうんいよいよきてのあの落城らくじょう……四百年後ねんご今日こんにちおもしてみるだけでも滅入めいるようにかんじます。
そも/\くま和獣わじうの王、たけくしてる。菓木このみ皮虫かはむしのるゐをしよくとして同類どうるゐけものくらはず、田圃たはたあらさず、まれあらすはしよくつきたる時也。
しかしこれもまた、長吉ちやうきちには近所の店先みせさき人目ひとめこと/″\く自分ばかりを見張みはつてるやうに思はれて、とても五分と長く立つてゐる事はできない。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
菊「そんならおぬしゃあ盗人と、知ってもやっぱり愛想もつかさず、」源「お前と一所に居たいのは、たとえにもいう似た者夫婦、」菊
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
久「うよ、おらがやったっけ、何かおれえ……然うさ通常たゞの文をやっても、これ面白くねえから、何かづくもんでやりてえもんだなア」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
或はたゝめるは、まさにこの時なるなからむや、今は山と、人と、石室と、地衣植物と、じん天地を霧の小壺せうこに蔵せられて、混茫こんばう一切をべんぜず、登山の騎客はこと/″\く二合二勺にて馬を下る。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
また湯島の酒楼松琴楼は松金屋のことで、広重ひろしげ錦絵にしきえ「江戸高名会席づくし」に不忍池を見渡す楼上の図が描かれている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
天地皆暗ク満目冥冥めいめいタラバ眼ナキト別ツベキナク、万物ことごとく静ニシテ千里蕭条しょうじょうタラバ耳ナキト別ツベキナシ。
呉秀三先生 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
すべて是れ、当年の血戦場——
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それから大殿様の御云ひつけで描いた、女房たちの似絵にせゑなども、その絵に写されたゞけの人間は、三年とたない中に、皆魂の抜けたやうな病気になって、死んだと申すではございませんか。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一里半富海とのみ(一名)駅なり。駅つきて山路にかかる。浮野嶢うきのたうげといふ。すべる所、望む所、貞世紀行尽せり。山陽道中第一の勝景と覚ゆ。一里浮野駅。一里宮市駅。三倉屋甚兵衛の家に休す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
終にここを捨てて女子高等師範学校の教官となりしは昨年春の事なりけん。ついで九月始めて肺患にかかり後赤十字社病院に入り療養をつくしかいもなく今年二月一日に亡き人の数には入りたりとぞ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一 女子は我家に有てはわが父母に専ら孝を行ふことわり也。されども夫の家にゆきては専らしゅうとしゅうとめを我親よりも重んじて厚くいつくしみ敬ひ孝行をつくすべし。親のかたを重んじ舅の方を軽ずる事なかれ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私が桑港サンフランシスコにいるとき、一九二四年九月十八日の夕、新聞の号外売りが、声高く「ラッセン火山大爆裂、シャスタ氷河大融解」と、大の字くしで呼んでいるので、耳寄りに思って買って見ると
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
湯の谷もここは山の方へはずれの家で、奥庭が深いから、はたの騒しいのにもかかわらず、しんとした藪蔭やぶかげに、細い、青い光物が見えたので。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
葉ハ冬ヲ経レバコトゴトク紅ナリ、霜ヲ負テ落チズ、春時扞挿スレバ活シ易シ
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
万里雲ツキテ 長江チヤウカウ水清シ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)