“投出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なげだ62.3%
ほうりだ18.0%
なげいだ16.4%
はふりだ1.6%
なげだし1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さいわい怪我けがもなかったので早速さっそく投出なげだされた下駄げたを履いて、師匠のうちの前に来ると、雨戸が少しばかりいていて、店ではまだあかりいている。
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
とぶるぶると胴震いをすると、翼を開いたように肩で掻縮かいちぢめた腕組をと解いて、一度投出ほうりだすごとくばたりと落した。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歯をくじきぬ。されども苦痛を感ずるていなく、玉のかいな投出なげいだして、くういだきて胸にめ附け、ニタリと笑いて、「時さん、おお、可愛いねえ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
回向ゑかうするやうな持主の目は種牛から離れなかつた。種牛は最早もう足さへも切離された。牧場の草踏散らした双叉ふたまたつめも、今は小屋から土間の方へ投出はふりだされた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
イヤしからぬ野暮やぼいわるゝは都の御方おかたにも似ぬ、今時の若者わかいものがそれではならぬ、さりとては百両投出なげだして七蔵にグッともわせなかったさばき方と違っておぼこな事
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)