“きっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
屹66.6%
喫11.1%
吃6.9%
切4.7%
必3.4%
佶1.5%
吉0.7%
緊0.7%
斬0.5%
伐0.5%
儼然0.5%
屹然0.5%
機0.5%
閃0.5%
凝0.2%
恟0.2%
截0.2%
期0.2%
毅然0.2%
詰0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屹(きっ)と顔を上げて相手を見た。ストーン氏はその顔をしげしげと見ていたが、やがて、事務的な……しかし極めて丁寧な口調で問うた。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
団飯(むすび)から脚(あし)ごしらえの仕度まですっかりして後、叔母にも朝食をさせ、自分も十分に喫(きっ)し、それから隙(すき)を見て飄然(ふい)と出てしまった。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
叔父(おじ)にさえあさましき難題(なんだい)云い掛(かけ)らるゝ世の中に赤の他人で是(これ)ほどの仁(なさけ)、胸に堪(こた)えてぞっとする程嬉(うれ)し悲しく、咽(む)せ返りながら、吃(きっ)と思いかえして
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然(しか)も猶(なお)これは真直(まっすぐ)に真四角に切(きっ)たもので、およそ恁(かか)る角(かく)の材木を得ようというには、杣(そま)が八人五日あまりも懸らねばならぬと聞く。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それに聞けば課長さんの所(とこ)へも常不断(じょうふだん)御機嫌伺いにお出でなさるという事(こっ)たから、必(きっ)とそれで此度(こんど)も善かッたのに違いないヨ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
二匹は思はず左右に分れ、落ちたるものを佶(きっ)と見れば、今しも二匹が噂(うわさ)したる、かの阿駒なりけるが。なにとかしたりけん、口より血夥(おびただ)しく流れ出(いず)るに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
『そんならわたしが押しかけて行こうか、吉(きっ)さんいけないかね。』
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
頤(あご)が大きく、髪の毛は額を蔽(おお)うて眉毛の上までたれ、両眼の間のまん中に絶えず憤怒の兆のような、しかめた線があり、目付きは薄気味が悪く、口は緊(きっ)と引きしまって恐ろしく
何(どう)でも詰らぬ恋を商買(しょうばい)道具の一刀に斬(きっ)て捨(すて)、横道入らずに奈良へでも西洋へでも行(ゆか)れた方が良い、婚礼なぞ勧めたは爺が一生の誤り、外に悪い事仕(し)た覚(おぼえ)はないが
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
竹伐(きっ)て日のさす寺や初紅葉 吾仲
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
口までが儼然(きっ)とむすばれて、どうしてと再び問返した語気は全く変って居たけれども、訳を知らぬ花次が気の附くはずはなく、ほんとにおかしいんですよとほとんど火を附けるような前句(まえく)に
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
屹然(きっ)と法水を振り向いて云った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
親仁(おやじ)は差心得(さしこころえ)たものと見える、この機(きっ)かけに手綱(たづな)を引いたから、馬はすたすたと健脚(けんきゃく)を山路(やまじ)に上げた、しゃん、しゃん、しゃん、しゃんしゃん、しゃんしゃん、——見る間(ま)に眼界を遠ざかる。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
怪量は閃(きっ)となってそれを見据えたが、やがてその眼がきらりと光った。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
九女八は、鷺草の、白い花がポツポツと咲き残るのへ降る雨が、庭面(にわも)を、真っ青に見せて、もやもやと、青い影が漂うようなのに、凝(きっ)と心をひかれながら、呟(つぶや)いた。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「はい」あきつは恟(きっ)とした、「はい、唯今すぐにまいります」
日本婦道記:萱笠 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
御覧遊ばせ今料理人がちょいとナイフで截(きっ)たと思うと直(すぐ)肩の骨が二つに離れました。見ているとあの通り優しいようですが自分で致すとなかなかむずかしくって容易にあの蝶番いが見当りません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... 抜て私しの云う通りにすれば期(きっ)と実(まこと)の罪人が分ります」荻沢警部は馬鹿/\しく思えど物は試験(ためし)と自ら我頭より長サ三四寸の髪の毛を一本抜き取り「是を何うするのだ(大)其髪の根(もと)を右向け梢(すえ)を ...
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「それは……あの……あの方なのでございますが」と伸子は苦しげに顔を歪めて、云うまい云わせようの葛藤と凄烈に闘っている様子であったが、やがて、決意を定めたかのように毅然(きっ)と法水を見て
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)