“佶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きっ75.0%
きつ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、何処でかキャンキャンと二声三声犬の啼声がする……佶(きっ)と耳を引立(ひった)って見たが、もう其切(それきり)で聞えない。隣町あたりで凍(かじ)けたような物売の声がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
二匹は思はず左右に分れ、落ちたるものを佶(きっ)と見れば、今しも二匹が噂(うわさ)したる、かの阿駒なりけるが。なにとかしたりけん、口より血夥(おびただ)しく流れ出(いず)るに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
握(にぎ)り向ふを佶(きつ)と見詰たる手先に障(さは)る箸箱(はしばこ)をば掴(つか)みながらに忌々(いま/\)しいと怒りの餘り打氣(うつき)もなく側(かたへ)に茫然(ぼんやり)坐(すわ)りゐて獨言をば聞ゐたる和吉の天窓(あたま)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『小川様(さん)!』と、女は佶(きつ)と顔をあげた。其顔は眉毛一本動かなかつた。『私の様なもののことを然う言つて下さるのはそれや有難う御座いますけれど。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)