“こつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コツ
語句割合
58.4%
13.6%
千住6.4%
4.8%
4.8%
3.2%
秘伝2.4%
呼吸1.6%
0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
秘訣0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ市村いちむら座の向側に小さい馬肉の煮込を食わせるところがあり、その煮方には一種のこつがあって余所よそではあじわえない味を出していた。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この図をながら、ちょんぼりひげの亭主が、「えへへ、ごさかんこつだい。」いきおいの趣くところ、とうとう袴を穿いて、辻の角の(安旅籠やすはたご)へ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「今戸の狐」ではしがない落語家の生活も千住こつのおいらんのなれの果ての姿も今戸八幡辺りの寒々とした景色とともに、よく志ん生は描き出してみせてくれる。
随筆 寄席囃子 (新字新仮名) / 正岡容(著)
両主人公は今こつとして左右よりこの舞台に上り来れり。彼等は何を語らむとするか。如何なる新色彩を脚色の上に施さむとするか、看客は汗手かんしゆして二人の一挙一動に凝視せり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、階下を見ると、その人、身の丈は長幹の松の如く、髯の長さ剣把けんぱに到り、臥蚕がさんの眉、丹鳳たんほうまなこ、さながら天来の戦鬼が、こつとして地に降りたかと疑われた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マケロニ(めん類の名)つけたる大いなる玩具もてあそびの柄つきの鈴をこつとして持たせたり。
一生稽古したって駄目な奴は駄目なんだ、おいらなんぞは木下流の槍の手筋を三日しか稽古しねえんだ、木下流とも言えば淡路流とも言うんだ、三日稽古をしてその秘伝こつ
と言つた調子で、松太郎は、継母ままははでもあしらふ様に、寝床の中に引擦り込んで、布団をかけてやる。渠は何日いつしか此女を扱ふ呼吸こつを知つた。悪口あくたい幾何いくらいても、別に抗争てむかふ事はしないのだ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「心弱うては、の世界では、こつじきに、身を落すほかはない——それにしても、太夫、よいことを耳に入れてくれましたな、このことは、長崎屋には、当分のあいだ、耳に入れぬよう頼みますぞ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
天命てんめい是耶ぜか非耶ひかいはるは伯夷傳はくいでん要文えうぶんなるべしこゝに忠義にこつたる彼の久八はから光陰つきひおくれども只千太郎の代に成て呼戻よびもどさるゝをたのしみに古主こしう容子ようす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なしてそれがしが宅へこつそりさし置きなば何時貴君が御出でも名代床みやうだいどこの不都合なく御とまり成るも御勝手次第幾日いくか居續ゐつゞけし給ひても誰に遠慮ゑんりよも内證も入らずさうなる時は小夜衣がいのちの親とも存じます何卒なにとぞ五十兩の御工風くふう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その矗々ちくちくとして、鋭く尖れるところ、一穂の寒剣、晃々天を削る如く、千山万岳鉄桶を囲繞せる中に、一肩を高くき、あたまに危石あり、脚に迅湍あり、天柱こつとして揺がず、まことに唐人の山水画
あの辺へ行って道庵先生と聞けば子供でも知っているのだよ……それから、あの先生にお頼み申すにはね、秘訣こつがあるのだよ、その秘訣を知らないと先生は来てくれないからね
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「いやさ、あんなにこつが割れるかどうか——。」